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女性MRを応援します

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[ 2014年2月20日(木) ]

女性MRの数は、2000年には全国で2,076人(全MRの4.2%)だったのが、2012年には8,711人(13.6%)に増加しています。MRという職業は実力さえあれば高収入を得ることができ、女性にとって魅力ある仕事の1つです。医薬品の適正使用のための情報提供活動を行なう仕事であり、女性のきめ細かさ、几帳面さを活かせる職業と言えるかもしれません。しかし一方では、勤務時間の長さや転勤など、女性としてはハンディとなりやすい要素もこの仕事にはあります。

開業医としての診療活動と同時に、女性医師のキャリア形成やワークライフバランスの向上のためのNPO活動を推進している瀧野敏子先生に、女性にとってのMRという仕事の可能性について聞きました。

瀧野敏子 先生

  • 医療法人社団ラ・クォール会 理事長
  • NPO法人イージェイネット 代表理事
  • ラ・クォール本町クリニック 院長

日本人のワークライフバランスの問題点は

ワークライフバランスとは、会社の福利厚生の問題ではなく、日本の社会全体が進むべき方向性の問題だと思います。日本人はよく働きますが、幸せに働いている人が少ないような気がします。MRさんは激烈なビジネス競争で疲れているし、病院では医師も看護師も長時間労働で疲れ切っています。男性も女性も最適なワークライフバランスを考えて、もう少し生活に余裕を持てないものでしょうか。

日本人のワークライフバランスの問題点は大きく2つあると思います。1つは、身を粉にして24時間滅私奉公で働くという高度成長期時代の価値観を引きずっている方が、企業や病院のトップにまだおられるということ。もう1つは、家の仕事は女性がして当然だという認識が社会にいまだ根強く残っていることです(図1)。

【ワークライフバランスは福利厚生ではなく社会的必然 -日本人、もっとシアワセに働こうよ-】[「家族」男性が家計を支えるモデルの崩壊、共働き=残業できない][「企業 健康経営」過労死→訴訟リスク、メタボ→突然死、うつ病→経営圧迫→企業の損失][「個人」ゆとり第一世代の多様な価値観]→ワークライフバランス→[士気向上、労働生産性向上→企業の業績向上][個人の幸福度アップ]

多様性を受容する職場をつくろう

「家事・育児は女性だけが個人の努力で担う」という社会では、女性MRも女性医師も、子育てしながら仕事を続けようとすると、同僚や上司に迷惑がかかってしまいます。この構造が大きな足かせになり、日本では女性が仕事を続けにくい1つの要因となっています。

図2は女性の年代別労働力の国際比較です。M字カーブといって、先進諸国の中で日本と韓国だけが子育て世代である30~34歳で女性の労働力が低下します。北欧では子育てのためにリタイアすることはありません。それはひとえに社会的なインフラが整備されているからです。日本もイクメン世代の人たちが各界の幹部になってくると、状況は変わってくるだろうと期待されます。

日本の社会が目指すべきは、ダイバーシティ(diversity)「多様性を受容する職場をつくる」という考え方です。子育て中の女性だけを優遇するのではなく、男性も女性も、独身者も既婚者も、日本人も外国人も、健常者も障害を持つ人もすべて認め、それぞれの多様性を生かすことのできる職場をつくろう。いろいろな社員が働くことで業績もよくなり、より強い組織になるはずである。このダイバーシティの理念は、製薬業界では外資系企業から広がりはじめ、現在では内資系でもダイバーシティ推進室を設けている企業が誕生しています。製薬業界は、日本の中では比較的女性も働きやすい職場と言えるのかもしれません。

MRの仕事は女性にとってどのような魅力があるか

MRという仕事には女性にとってどのような魅力があるのでしょうか。まず、能力があれば正当に評価されて高い給与を得ることのできる仕事だと思います。自分の能力に見合った報酬の得られる仕事は、特に女性の場合は少ないので、これはまずよい点だと思います。MRさんになる女性は学校で勉強ができて、知力能力に自信のある人が多いと思います。そしてなぜか美しい人が多い。スーツ着てピシっとして恰好いい。ハンサムウーマンの典型で、病院の中でも注目される存在です。「恰好いい職業だから、やってみなよ、やりがいあるよ」と私はまずエールを送りたいですね。

私が勤務医だった時代はMRさんはほとんどが男性で、私の勤務病院には女性MRさんは1人しか訪問されませんでした。大変素敵な方で気が合い、そのMRさんが来るのがとても楽しみでした。お互い若かったから女性としての生き方について話し合ったり、親密なよい交流がありました。その後、女性MRさんの人数は年々増加してきています(図3)。大変よいことだと思っています。

女性MRを増やすと業績が上がる

女性MRさんを増やすと製薬企業は業績が向上すると期待されます。いま医師の世界では29歳以下の35%が女性医師になっています。女性医師は女性MRを歓迎しているはずです。おじさんMRよりも同世代あるいはちょっと上の世代の女性MRのほうが話がしやすいでしょう。仕事の話もするけれど、おしゃれの話とか美味しいレストランの話とか、同世代の女性として共感できる部分がたくさんあると思います。

かつては医師に接待をして売り上げを伸ばすこともMRさんの仕事にはあったのですが、いまではそれはなくなりました。薬の情報を伝えるという本来の職務が前面に出てきています。真面目で細やかで正確な仕事をする女性MRさんが歓迎される時代になっています。ぜひ頑張っていただきたいと思います。

どういう女性がMRの仕事に向いているか

医薬情報を正確に伝えるというMRさんの仕事には論理力、構成力、説得力、いわゆるプレゼンテーション能力が求められます。医師からのいろいろな質問に対して誠意を持って応じ、その場で答えられなくてもできるだけ早く答えを返す几帳面さも必要です。さらにサービス業という側面もありますので、それこそホスピタリティ「おもてなし」の感性を持った人でないと難しいのではないかと思います。

たとえば医師が診療で疲れ果てているときに新しい薬の話を熱心にされても、しんどいなと思われてしまうでしょう。「今度またゆっくりお話しします」と言って、パンフレットを1枚置いてすっと引き下がるような心づかいを見せると、「わかってくれているな」と好感をもたれることでしょう。MRさんに求められる資質は、薬の知識を正確に伝授する能力とともに、相手の懐に入っていく人間力でしょうかね。

女性MRの方々が意見交換をしているWEBサイトを覗いてみると、彼女たちが辛いと思っていることとして、転勤と長時間勤務が挙がっていました。特に転勤は、若い女性が家庭を持ったときに仕事を継続できなくなる残念な要因となっています。

出産、子育てでMRの仕事は難しくなっても、MR経験者は製薬会社の中で切り口を変えれば、生産性を十分発揮して仕事ができると思います。能力ある人たちが多いので、よいロールモデルを作っていってほしいなと思います。

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