製品説明会当日になって、先生との打ち合わせが不十分で、出席される先生方の数を間違えたことがわかった。
弁当の手配はしたものの、予定の時刻に届かなかった。
プロジェクターとPCをつなぐケーブルを会社に忘れてしまった。
…こんな事態に陥った経験はありませんか?
こうなってしまったら、プレゼンテーションどころではなくなります。
プレゼンテーションにおいてもっとも大事なことは「事前の準備」です。
説明会はよく「準備が7割」といわれます。
説明会がうまくいくかどうかは、前日までの準備で70%決まっているということです。
説明会の日程が近づいたら、まず1週間前に確認、できれば前日にも先生に確認したいものです。確認すべき事項は次のとおりです。
①説明会のテーマ
②開始時刻と持ち時間
③場所(会議室)
④出席される先生方の人数
会社で、また営業所で説明会チェックリストを作成している場合がありますが、参考までに例を示します(図はクリックで拡大します)。
事前の準備を万全にしたところで、いよいよ本番です。
ここでは病院の会議室などのように、比較的広いスペースでの説明会を想定し、プレゼンテーションの基本を再確認します。
■目線と声の大きさ
左の図のように医局説明会で机がスクール形式で並んでいると仮定します(図はクリックで拡大します)。
スタートする時の目線は一番後ろの17番か20番の席に合わせ、挨拶と自己紹介の時に一番後ろに声が届くように声の大きさを調整します。
その後の目線の配り方は、出席されている先生方に対して均等になるよう、ひとつのセンテンスごとに目線を切り替えます。
基本的に声の大きさは一定ですが、特に強調したい部分は大きくコントラストをつけてトーンを上げます。
■立ち位置と姿勢
立ち位置はスクリーンの左手が基本ですが、部屋の構造によってはこの限りではありません。いつもカンファレンスや説明会に使用されている会議室であればそれなりの配置になっており、部屋に入れば定位置が予測できるものです。
姿勢は重要です。
背筋を伸ばして、無駄な動きをせず凛とした姿勢で臨みましょう。背筋が曲がっていると、あたかも説明に自信がないように見えます。
■喋るスピード
説明会では往々にして喋るスピードが速くなるものです。一般的に、速くしゃべると声は細く高くなり、遅くしゃべると声は太く低くなります。速く話すと説得力に欠けてしまいますが、ゆっくり話すと聞き手に信頼感や落ち着いた印象を与えることができます。
プロのアナウンサーがニュース原稿を読む時、スピードは1分間に約400字といわれています。このスピードで事前にトレーニングしてください。日常会話よりかなりゆっくりだと感じるはずです。
説明するのは医薬品です。先生方に信頼感を持ってもらうためにも、ゆっくり落ち着いて喋りましょう。
最後に、説明会本番での急な変更はつきものです。どんな変更にも対応できるプロ意識を持って臨みましょう。