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MR年収
<企業による格差の実態>

MRの年収はどのくらい?年齢や企業による違いは?ここでは、MRの年収について解説します。

MRの年収データ

MRの平均年収は707.3万円

MR全体の平均*年収 707.3万円

*年収・・・源泉徴収票に記載される給与(非課税の手当などは除く)

年代別MRの平均年収の棒グラフ

※MR BiZによる調査結果をもとに作成(調査期間:2017年4月1日~12月31日、有効回答数:N=888)

MR BiZの調査によると、MRの平均年収は707.3万円です。MRの年代別の平均年収は、20代後半は549.1万円、30代前半が677.6万円、30代後半が808.7万円、40代前半が970.8万円、40代後半以降が1072.8万円です。サラリーマンの平均年収が422万円(※)であることを考えると、どの年代もMRの年収水準は高いといえます。

(※)…国税庁平成28年民間給与実態統計調査

MRの年収幅は350万円~1500万円

MRの年収範囲は350万円~1500万円です。初年度の年収(社会人1年目)は350万円前後、管理職でないMRの年収上限は1200万円程度、管理職クラスの年収上限は1500万円程度が相場です。

ただし企業によって昇給のペースや上限額、給与の制度が異なるため、ある程度の個人差は生じます。

年代別・年収額の分布

20代の年収額の分布円グラフ。~400万円:11パーセント、401~500万円:32パーセント、501~600万円:38パーセント、601~700万円:12パーセント、701~800万円:5パーセント、801~900万円:1パーセント、901万円~:0パーセント。

20代:平均年収538.5万円

20代の平均年収は538.5万円。ボリュームゾーンは400万円台から500万円台です。
20代前半の年収はそこまで個人差がなく、おおよそ350万円から多くても500万円程度の人がほとんど。20代後半になると売上実績や評価が給与に与える影響もある程度大きくなり、優秀な実績をあげている方であれば、まれに800万円以上の人も見られるようになります。

30代の年収額の分布円グラフ。~400万円:4パーセント、401~500万円:20パーセント、501~600万円:32パーセント、601~700万円:18パーセント、701~800万円:13パーセント、801~900万円:7パーセント、901~1000万円:4パーセント、1001万円~:2パーセント。

30代:平均年収720.8万円

30代の平均年収は720.8万円。ボリュームゾーンは700万円台です。30代前半は700万円前後、30代後半は800万円前後が相場です。
20代に比べて個人による年収差が顕著になるのが特徴。1000万円以上の年収をもらう人も増えてきます。

40代の年収額の分布円グラフ。~500万円:1パーセント、501~600万円:2パーセント、601~700万円:6パーセント、701~800万円:10パーセント、801~900万円:12パーセント、901~1000万円:24パーセント、1001万円~:44パーセント。

40代以上:平均年収1027.2万円

40代以上の平均年収は1027.2万円。営業所長や営業部長を含む役職に就く人が増えるため、ボリュームゾーンは900万円~1000万円になります。
現場で活躍するプレイヤーと管理職との間に年収の差が開いてくる年代です。企業による年収水準の差が顕著になるのも特徴です。

MRの年収|内訳のリアル

年収水準が比較的高いMR。基本給や賞与はもちろん、MRならではの手当や福利厚生が充実しているのも特徴です。

MRならではの待遇|日当・借り上げ社宅制度

日当

源泉徴収票上の年収とは別に、出勤日数単位で支給される費用のこと。支給額は1日あたり2,000~3,600円程度。日当は非課税のため、額面そのままの金額が支払われます。

例)1日あたり2,500円支給される場合の日当

月間
50,000円(=2,500円×20日)
年間
600,000円(=2,500円×20日×12ヶ月)

※月間勤務日数20日、年間休日125日

借り上げ社宅制度

MRが住む家を社宅として扱い、家賃の一部を会社に負担してもらう制度。転勤が比較的多いMRならではの制度です。家賃の7~8割前後を会社が負担するケースが多いです。「単身か扶養家族ありか」「居住エリア」などによって上限金額や負担金額が変わります。

年収の内訳パターン例

3人家族・持ち家 月給制の場合

基本給(月給×12ヶ月分)+賞与+各種手当(家族手当など)+日当

月給制のMR ・年収内訳

*TOTAL年収 720万

*TOTAL年収…源泉徴収票に記載される給与+非課税の手当

時給制のMR・年収内訳の図表。非課税の手当を含む年収が720万円の場合、内訳は次の通り。基本給が432万円(月給36万円の12ヶ月分)、賞与216万円、各種手当てが12万円、日当が60万円。

独身・借り上げ社宅 年俸制の場合

基本年俸+賞与/インセンティブ+日当 (+借り上げ社宅)

年俸制のMR ・年収内訳

*TOTAL年収 660万円 + 借り上げ社宅 ( 会社負担月間 5万円 / 年間 60万 )

*TOTAL年収…源泉徴収票に記載される給与+非課税の手当

年俸制のMR・年収内訳の図表。非課税の手当を含む年収が660万円の場合、内訳は次の通り。基本年俸が450万円、賞与/インセンティブが150万円、日当が60万円。加えて借り上げ社宅が適用され、会社が60万円分の家賃を負担。

企業、担当製品…MRの年収を決める4要素

MRの年収を決める4要素

  • 在籍企業(日系/外資系/CSO)
  • 担当製品(新薬/ジェネリック医薬品)
  • 営業成績
  • 役職

MRの年収を決める要素は大きく(1)在籍企業(日系/外資系/CSO)、(2)担当製品(新薬/ジェネリック医薬品)、(3)役職、(4)営業成績の4つです。各要素のかけあわせによって年収が決定します。

在籍企業 (日系/外資系/CSO)

MRの年収は在籍企業によって水準が異なります。企業ごとのおおまかな傾向は次の通りです。

企業の属性 年収上限の目安
外資系オーファンメーカー(希少疾患) ~1200万円
日系大手メーカー ~1100万円
外資系メガファーマ(複合領域) ~1000万円
外資系スペシャリティファーマ(特定領域) ~900万円
日系中堅メーカー・CSO ~750万円

※管理職の場合はさらに年収が高くなります。

日系製薬メーカーのMR

POINT

  • 年収水準は企業規模に比例
  • 年収は経験に応じて比較的安定して推移

日系の製薬メーカーの場合、年収水準はおおよそ企業規模に比例します。全社的に年収が高い企業ではMRの年収も高めです。

製薬会社 平均年収トップ20の表。1位:ソレイジア・ファーマ(1576.3万円)。2位:シンバイオ製薬(1195万円)。3位:第一三共(1103.9万円)。4位:そーせいG(1087.7万円)。5位:アステラス製薬(1079.4万円)。6位:大塚HD(1076.2万円)。7位:エーザイ(1044.6万円)。8位:武田薬品工業(1038.8万円)。9位:サンバイオ(1009.6万円)。10位:ペプチドリーム(993.6万円)。11位:中外製薬(953万円)。12位:キョーリン製薬HD(930.1万円)。13位:塩野義製薬(919.3万円)。14位:小野薬品工業(905.5万円)。15位:アンジェス(886.2万円)。16位:田辺三菱製薬(876.2万円)。17位:大正製薬HD(875.2万円)。18位:ジーエヌアイG(873.9万円)。19位:生化学工業(866.2万円)。20位:ブライトパス・バイオ(865.3万円)。

Answers News 【最新!2017年度】製薬会社年収ランキング トップは2年連続ソレイジア―9社が1000万円超え

日系企業では、実績を積み重ねていけば比較的安定して年収が増加していく傾向にあります。

外資系製薬メーカーのMR

POINT

  • 年収水準はオーファン(希少疾患)メーカーが圧倒的に高い
  • 年収はインセンティブの金額に応じて変動することも

外資系の製薬メーカーの場合、希少疾患の薬剤を扱うメーカー(オーファンメーカー)の年収が圧倒的に高く、次いで複数の領域を扱う大手メーカー(メガファーマ)や特定領域を扱うメーカー(スペシャリティファーマ)が続きます。日本に進出している企業の多くはグローバルの中でも規模が大きいため、日本法人の規模よりも取り扱う製品が年収水準に大きく関わる傾向にあります。

外資系製薬メーカーのMR年収の配列イメージ。

日系企業に比べると年俸制の企業が多く、インセンティブの金額に左右されやすい点も、外資系メーカーの特徴です。

CSOのMR(コントラクトMR)

POINT

  • 年収範囲は350万円~1000万円
  • 経験年数と実績が年収に影響を与える

CSOのMR(コントラクトMR)の年収範囲は350万円~1000万円です。管理職でないMRの場合、年収の上限は750万円程度です。社宅やインセンティブなど、企業の制度によっては、さらに金額が上がることもあります。コントラクトMRの場合、MRとしての経験年数と実績が年収水準に影響を与えます。異業種からMRにキャリアチェンジ転職した人の場合、転職後しばらくは、新卒からMRとして働いてきた同年代に比べて年収は低めです。

CSO=Contract Sales Organizationの略。医薬品販売業務受託機関のこと。製薬メーカーから依頼を受けてMRをクライアント先の製薬メーカーの営業部隊(MR組織)に配属し、製品販促活動をサポートするサービスを展開する企業。

バラエティーに富んだ手当や福利厚生をもつCSO

コントラクトMRはCSOの正社員として雇用されているため、勤務先であるCSOの手当や福利厚生を享受することになります。CSOは手当や福利厚生で競合各社との差別化を図っているため、手当や福利厚生のバラエティーは豊富です。

担当製品(新薬/ジェネリック医薬品)

MRの年収は担当製品によっても異なります。新薬(先発医薬品)を扱うMRはより年収が高く、ジェネリック医薬品(後発医薬品)を扱うMRは新薬MRより低い傾向にあります。新薬とジェネリック医薬品を比べると新薬のほうが1剤あたりの単価が高いことが年収に差が出る理由の一つです。

営業成績

MRの年収は営業成績によっても異なります。インセンティブは評価に応じて算定されるためです。MRの評価は他の業界の営業職と同様に売上の実績で決まるため、同じ会社の中でもより実績の高いMRのほうが年収は高くなりやすいといえます。

役職

役職に就いているかプレイヤーなのかによって、同じ年齢・年代でも年収に差が出てきます。特に40歳前後あたりから、役職の有無による年収差が顕著になります。30代で管理職になるMRもいれば、定年までマネジメントするメンバーをもたずにプレイヤーとして活躍し続けるMRもいるためです。役職に就けるタイミングは、本人の能力や志向性はもちろん、企業や配属部署の組織状況によっても異なります。

まとめ

MRの平均年収は707.3万円です。年代別で見ると20代後半は549.1万円、30代前半が677.6万円、30代後半が808.7万円、40代前半が970.8万円、40代後半以降が1072.8万円で、どの年代もMRの年収水準は高いといえます。

MRの年収は在籍企業(日系/外資系/CSO)、取り扱う製品(新薬/ジェネリック医薬品)、役職、営業成績によって異なります。ただし近年の製薬業界ではAIやITの活用が進みMRの働き方が見直されているため、給与の算定方法や内訳の変化とともに年収水準が変わっていく可能性はあるでしょう。

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