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躍進するインドの製薬企業と、正しい付き合い方を模索して

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[ 2012年04月26日(木) ]
インドの製薬企業

インドの製薬企業は輸出だけでなく国内需要の9割以上を供給しているというデータも…。

日本や先進国が新薬の開発に躍起になるのとは対称的に、インドの製薬業界は、ジェネリック医薬品の製造をベースに急速発展。今では、ソフトウェア産業と並んで国際競争力を持つ巨大産業となりました。

インドの製薬企業と言えば、日本ユニバーサル薬品を傘下に収めたザイダスや、ランバクシーなどが有名ですが、現在、インドには2万社もの製薬会社があると言われています(出典:インド新聞「インド・日本におけるジェネリック製薬市場」)。市場は2010年に126億ドルをマーク。2020年には4倍以上の550億ドルに登るとまで予測されています。

成長著しいインドの製薬業界。これまで、規制の違いから日本にインド産の後発薬が入ってくることはありませんでした。ところが、2010年の暮れ、インドの製薬大手・ザイダスファーマのアムロジピンが初めてインド産後発薬として日本に投下され、その驚異が徐々に意識され始めました。

薬業時報2012年4月10日号によると、ザイダスファーマの発売したアムロジピンの薬価は、先発品の1/3以下。東和薬品が発売したアムロジピン「トーワ」と比べても、半分以下という安値を実現しています。

米国産に比べて製造コストを40%削減できるという、圧倒的な価格競争力で、インド産の後発薬は世界シェアの20%以上を占めています。昨年8月には日本・インド両国間の包括的経済連携協定(EPA)が発効され、今後ますますインド発の後発薬が日本になだれ込んでくることが予想されます。そうなれば、シェアに大きな変化が起こるのは必至。

大胆な価格戦略を要に、世界を席巻するインド。国内外の企業から警戒視される同国に対し、国内の製薬企業は?

第一三共は、2009年にいち早くインドのランバクシー・ラボラトリーズを子会社化。ルーマニアなど従来同社の拠点がなかった地域で、高血圧症治療剤「セビカー」を販売する上で、ランバクシーとその子会社であるテラピア(インドでトップクラスの後発医薬品企業)との連携を強めていくことが報じられています。

エーザイや武田などの日本企業もインドに参入しているのは周知の事実。前述の通り、2万社ものジェネリックメーカーがひしめくインドでなら、人材の調達や設備調達が容易になります。各社の狙いは、低いコストで量産できる利点を活かし、海外向けに確固たる生産体制を整えることです。

世界的に見ても驚異的な成長を遂げるインドの製薬企業たち。いよいよ無視できない状況の中、それらとどう付き合っていくかが、今後、国内・海外の製薬企業各社にとって鍵となることが予想されます。

(文・栗山 鈴奈)

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