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訪問自粛はMRの働き方を変えるのか

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[ 2020年05月28日(木) ]

pixta_64707130_M新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、医療機関への訪問が自粛となったMR(医薬情報担当者)。私が編集長を務めるAnswersNewsでは先月、6人のMRの方に訪問自粛の中でどんな活動をしているのか、オンラインでお話を聞きました(記事はこちら)。

皆さんWeb面談を打診したり、手紙やメールで製品情報を送ったりと、医師とのコンタクトを取るために試行錯誤されていましたが、中には「医師とのコミュニケーションが普段の1割以下まで減っている」という人もおり、苦労している様子が伺えました。

エムスリーによると、同社の医療情報専門サイト「m3.com」では、今年3月のeディテールの既読数が前年の同じ月と比べて56%、Web講演会の視聴人数は76%増加。m3.comの滞在時間も36%増えたといい、同社は「MRの訪問自粛に応じてサイトを通じた医師の情報収集量が増加している」と分析しています。COVID-19の感染拡大という非常事態を経て、Webを通じた医薬品情報の提供が一気に広がっていくことになるのかもしれません。

こうした状況は、MRの働き方も変えてしまう可能性があります。AnswersNewsの取材では、皆さん「対面での情報提供は必要」と話していましたが、一方で「COVID-19が収束しても完全に働き方は元に戻らない。完全アポイント制がかなり広がるのではないか」「収束後も訪問規制が続くのではないか」という意見も。「Webと対面を組み合わせることで面談の濃度を上げられる可能性があり、今回ノウハウを得られたのはプラス」「効率的な活動ができるようになる」といった前向きな意見も聞かれましたが、「すごく不安」というMRもいました。

メディアでは、今回の訪問自粛を「MR不要論」につなげる論調の記事も散見されますが、決してそうではないはず。取材では「知識と信頼関係があるMRだからこそ伝えられることがあるはず」「医師の細かいニーズに応じた情報提供ができるのはMR」といった声も聞かれました。COVID-19の収束後、MRの働き方はどう変わるのか、MRの役割はどうなるのか。「MRだからこそできること」を考え、備えておいたほうがいいかもしれません。

(文・前田雄樹)

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