今年も残すところあと1ヶ月となりました。
2012年は、特許切れ問題や診療報酬改定・後発医薬品調剤体制加算などがある最中、4年ぶりにプロモーションコードが改訂され、接待禁止令が始まり、製薬企業各社でも自社コードを改めるところが多く見受けられるなど、激動と呼べる一年間だったのではないでしょうか。
また、製薬協により、この11月は、「公明正大なプロモーション活動」をテーマにした「プロモーションコード理解促進月間」と定められていましたが、現場ではいかがでしたか?
プロモーションコード理解促進月間の試みは、2001年より毎年行われ、11回目を数える今回は、『日本製薬工業協会プロモーションコード委員会による『公正で誠実なプロモーション それが私たちの誇りです』というポスターが掲げられました。業界全体としても、11回目の「プロモーションコード理解促進月間」は、例年よりも少し特別なものだったのではないかと思います。
既にご存じだと思いますが、プロモーションコード委員会によるポスターには、下記のような文言が並んでいました。
- 製品情報は承認の範囲内のものを提供します
- 科学的根拠が明らかな情報を提供します
- 有効性のみに偏った情報提供はしません
- 他社および他社品を中傷・誹謗しません
- 社内用資料、手作り資料は使用しません
これは、どこかプロモーションの範囲が、MR個人による裁量から、会社管轄・企業の責任の下に管理されるものへ、シフトされたように思えます。
それを裏付けるように、先日15日には、全役職員を対象とした「コード・オブ・プラクティス」という新しい規範が、来年春をメドに策定されることが発表されました。こうした流れには、いよいよ現場だけでなく、企業全体・業界全体が一丸となって、主観的かつバイアスの掛かった情報提供を排除し、より高い倫理性の元に、精確かつ不可欠な情報を発信する姿勢を追及していく決意が現れているように思えます。
いかに相手のニーズを汲み取って、客観的なデータを駆使した、論理的かつ質の高い情報提供ができるかどうかが今後のMR活動の鍵になる。そう改めて思わされる出来事の数々でした。
(文・栗山 鈴奈)