医療機器営業とは
人気上昇中!MRから医療機器営業への転職
安倍政権「三本の矢」となる成長戦略(日本再興戦略)の後押しもあり、順調に成長中の医療機器業界。
医薬品医療機器等法(薬機法)の規制下で働くなど共通点が多いことから、近年MRから転職する人が増えています。
メリット
- 医師のパートナーとして頼りにされ、アポイントも取りやすい
- 成長中の業界で働ける
- 年収、働き方…求人の選び方次第で希望が叶う
- 活動拠点は主要都市中心、転勤の頻度は少なめ
デメリット
- 給与は他業界より高く、MRより低めの傾向
- 製品によって相性が合う・合わないがある
- 担当エリアによっては出張が発生することも
なぜMRからの転職先として医療機器営業が選ばれるのか…
その理由は人によってさまざまですが、代表的な理由は次の3つです。
医療機器営業が選ばれる理由
- (1) 医師のパートナーとして頼りにされる場面が多い
- (2) 業界の成長率・将来性
- (3) 年収、働き方…求人の選び方次第で希望が叶う
(1)医師のパートナーとして頼りにされる場面が多い
医療機器営業はMRよりもアポイントが取りやすく、医師や医療従事者のパートナーとしてじっくりと話し込みができます。
医療機器は身体に直接的な影響を与える製品が多いものの、使い方は千差万別。正しく適切に使用する方法など、医療の現場は製品の専門的な情報を強く求めているのです。
(2)業界の成長率・将来性
日本の医療機器市場は年およそ3%の割合で拡大中。病気の予防や早期発見による医療費削減が期待され、アベノミクスの三本の矢(戦略市場創造プランの「健康寿命の延伸」)でも成長を後押しされる、国内有数の注目産業です。
(3)年収、働き方…求人の選び方次第で希望が叶う
医療機器の営業と一口に言っても、その働き方や待遇は多種多様。年収も比較的維持しやすく、バラエティーに富んだ選択肢から志向性に合った求人を見つけやすいのが特徴です。
年代別・平均年収
MR BiZの調査によると、年代別にMRや全産業と比べた医療機器営業の平均年収は以下の通りです。
年代別 MR・医療機器営業・全産業 平均年収
20代後半平均 | 30代前半平均 | 30代後半平均 | 40代前半平均 | 40代後半以降平均 | |
---|---|---|---|---|---|
MR | 549.1万円 | 677.6万円 | 808.7万円 | 970.8万円 | 1072.8万円 |
医療機器 | 514.5万円 | 621.3万円 | 708.3万円 | 800.3万円 | 911.9万円 |
全産業 | 346.0万円 | 395.6万円 | 440.4万円 | 481.4万円 | 536.1万円 |
※厚生労働省「平成29年賃金構造基本統計調査」、MR BiZによる調査結果(調査期間:2017年4月1日~12月31日、有効回答数:N=1195)をもとに作成。40歳後半以降に該当するのは59歳まで。
医療機器営業の年代別の平均年収は、20代後半500万円前後、30代後半700万円前後、40代後半以降900万円前後です。MRに比べるとやや劣りますが、全産業平均と比較すると水準は高いといえます。
年代別・年収額の分布
医療機器営業の場合、同年代であっても年収の個人差が大きいのが特徴。年代別に年収額の分布を見てみると、年齢が上がるほど個人差が顕著になることがわかります。
・20代
ボリュームゾーンは500万円前後。個人差はありますが、特に20代前半のうちは、各企業の初任給や給与水準に紐付いておおよその金額が決まるケースが多いです。
20代後半以降になると、少しずつ個人差が現れ始めます。中には900万円近い年収をもらっている人もいます。
・30代
ボリュームゾーンは600万円~700万円前後。平均すると30代前半が600万円前後、700万円前後がボリュームゾーンです。
30代は個人による業績の差が大きくなってくる年代。徐々に役職に就く人も現れ始め、年収1000万円以上の人も増えてきます。
・40代以上
個人差がより顕著に。いわゆるボリュームゾーンは700~900万円前後ですが、1000万円以上の人と600万円以下の人それぞれ2割程度います。
在籍企業の給与水準や役職、インセンティブの金額による差がより顕著に年収に表れます。
※MR BiZによる調査結果(調査期間:2017年4月1日~12月31日、有効回答数:N=290)をもとに作成
医療機器営業の年収に個人差がみられる2つの理由
・メーカーor商社、外資or日系、扱う製品によって差がある
医療機器営業は、MR以上に在籍企業や扱う製品による年収差が大きい仕事。例えばメーカーか商社か、外資系企業か日系企業かによっても異なりますし、生命への影響が大きい製品を扱う人ほど年収が高めです。
一般的には、メーカーのほうが商社よりも年収水準が高いことが多いです。また、外資系企業は手当以外の給与が高めなのに対し、日系企業は手当が充実している傾向にあります。
・インセンティブの比率が高い
医療機器営業の年収は、成果に応じた報酬であるインセンティブ(業績に基づいた賞与)の比率が高いのが特徴。特に外資系の企業に顕著な傾向で、実績をあげれば年収が上がりやすい環境といえます。逆にいえば、実績次第では年収が下がるリスクもあるため、個人差が生じやすいともいえます。
医療機器営業にキャリアチェンジ転職する場合、MRとは年収の内訳が大きく異なる上に、企業によっても給与の制度はさまざまなので、転職する際は次のポイントに注意することをおすすめします。
年収について確認すべきポイント
- 基本給 月給制?年俸制?金額は?
- 固定賞与 あるかないか?ある場合いくらもらえる?
-
インセンティブ
支給条件は?目標何%達成でもらえる?
会社業績に連動?個人業績に連動?支給額は? -
手当
時間外手当、住宅手当…
手当の種類と金額 - 日当
日当(非課税対象)が付与されたり、全社員に住宅手当や借り上げ社宅が適用されたりするMRの給与体系は、世間全般的にも非常に特殊です。MR以外の職種に転職する場合、給与体系が変わる可能性が高いことを念頭に置きましょう。
医療機器営業の主な仕事は、自社製品の専門家として、医師などの医療従事者に対して製品の特徴や使用方法といった情報を提供して採用に結びつけること。病院向けに情報を提供する点ではMRと似ていますが、医薬品よりも形状や機能の差が見えやすいため、競合他社との差別化がしやすい点が特徴です。また使用方法のレクチャーなど、医療機器営業ならではの仕事もあります。
医療機器の販売にあたっては、病院の内部事情に精通していることが何より重要。手術予定日などの情報をタイムリーにキャッチしてくるのはたいてい卸業者なので、いかにエリア内の卸業者と協力体制を築けるかがポイントとなります。
扱う製品によって営業スタイルや忙しさが全く異なる医療機器営業。具体的にどのような働き方があるのか、代表的な製品を例に紹介します。
- <手術用機器> バル―ンカテーテル、ステントグラフト など
- 特徴的な業務
- 医師への手技レクチャー、手術方針や治療方針の提案
- こんな人にオススメ
- 医師にパートナーとして頼ってもらえる営業になりたい
製品が手術の成功に大きく関わるバルーンカテーテルやステントグラフト。医師と密に情報交換する機会が多いのが仕事の醍醐味です。医師に手技をレクチャーしたり、治療方針を提案したりすることもあります。
カテーテルを用いて患者に負担をかけずに治療を行う低侵襲治療(インターベンション)は、医療機器業界の中でも近年最も注目されている分野です。
- <診断用機器> MRI、CT、超音波診断装置 など
- 特徴的な業務
- 院長クラスの医師との折衝、病院経営に関与する提案
- こんな人にオススメ
- コンサルティングや提案の要素が強い営業をしたい
頻繁に入れ替えることの少ない大型製品。1製品あたりの価格が数億円単位に及ぶため、病院の経営や予算に踏み込んだコンサルティング要素の強い提案をするのが特徴です。理事長など経営者や院長クラスの医師とコミュニケーションをとるような場面もあります。
魅力的な医療機器がある病院には患者が集まるため、病院の付加価値アップに貢献できるのも醍醐味の一つです。
- <身体機能補助用機器> ペースメーカー など
- 特徴的な業務
- オペ立ち会い、不具合対応
- こんな人にオススメ
- 患者に貢献している実感がほしい、学術レベルの高い情報提供が好き
生命に関わる製品につき、大きな責任が伴うペースメーカー。手術を実施できる基幹病院以上の施設を担当できる点が魅力です。人体・疾患・製品の広範な知識が必要とされ、医師の相談相手になることもしばしばあります。
数時間に及ぶ手術に立ち会うことがあったり、稀に呼び出しがかかったりするのも特徴。医療機器営業の中でも比較的忙しい働き方です。
- <検体検査用機器> 生化学自動分析装置、自動血球分析装置 など
- 特徴的な業務
- 臨床検査技師や看護師への入念なアプローチ、診断薬と診断機器をセットで販売
- こんな人にオススメ
- 安定的に売上を積み上げていきたい、人脈構築が得意
血液や尿といった検体を検査するために用いられる機器。一度納入すると5~7年間は入れ替えが発生しませんが、セットで使う診断薬は継続して購入してもらえるため、安定した売上が見込まれます。
製品採用にあたっては、日々機材を扱う臨床検査技師や看護師がキーマンとなることもしばしば。決裁者を見極めるための人脈構築力がキーとなります。緊急性の高い場面は比較的少なく、業務のコントロールはしやすい環境です。
上記はあくまで一例です。内視鏡や人工呼吸器、コンタクトレンズなど…医療機器には他にもあらゆる製品があり、働き方もさまざまです。
医療機器の営業職も、転勤の可能性はあります。ただしMRに比べて営業職の人数が少ないこともあり、頻繁な異動はあまりさせない企業がほとんど。MRほど転勤は多くないと考えてよいでしょう。
勤務地については、拠点が主要都市に配置されているケースが多く、地方勤務の可能性は低いといえます。ただしその分、一人あたりの管轄エリアは広めです。
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