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MR(医薬情報担当者)のiPad活用開始から4年。製薬企業のApple離れが始まる?

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[ 2014年07月10日(木) ]

2009年、業務効率化のためキーボード付きスマートフォンSoftBank X05HTをいち早く導入したファイザー。その2年後の2011年春に同社がiPhone4に乗り換えた頃には、製薬企業におけるスマートデバイス活用がいよいよ本格化した、と大きな話題になりました。

国内製薬業のスマートデバイス活用の始まりは、それに先駆けること1年。大塚製薬が2010年06月08日にiPadを1300台導入したのが最初と言われています。

スマートデバイスが現場に真っ先にもたらした恩恵は、PC宛てに送られた大切なメールをいつでも確認・返信できることでした。これにより多忙なドクターに対するアポ取り・リスケジュールが容易になり、MR活動が大いに効率化したと言われています。

加えて、紙では難しかった動画やアニメーションを駆使したリッチなプレゼンが可能になったこと、ドクターに必要とされる学術文献をその場で検索・閲覧できるようになったこと、など、これまでのディテーリングのあり方をすっかり変えてしまいました。もちろん、いちいち大量の紙資料を持ち歩かなくて済むようになった、というメリットもあるでしょう。

その後、各社での独自アプリの開発が進み、今では現場の業務を効率化するだけのものではなくなりました。MRが見せた資料の閲覧ログやドクターの反応を解析することが可能となり、ドクターごとのニーズの明確化や、提案資料の改善に役立てられています。他にもビッグデータの活用や、デジタルデバイスの持つインタラクティブ性を活かした様々な活用法が日々生み出されています

スマートデバイスが活用され初めてはや4年。今となっては、「日本の製薬会社のほぼ9割がiPadを使っている」(エーザイ戦略企画室・開發寛氏談businessnetwork.jp「エーザイの第三世代iPad活用法(前編)『製薬業界でのiPad活用はどう進化してきたか?』より)と言われるほど、気づけばApple社製品に埋め尽くされていました。

そんな中、7/3に報じられたのは、国内で最初にiPadを導入した大塚製薬が、ノートPCとiPadの2台持ち体制をやめ、MR用の1900台をWindows8.1タブレット『Dell Venue 11 Pro』に完全移行する、というものでした。
「端末の一元化と Windows 8.1 Enterpriseの採用により、導入・管理費用が約50%削減できるほか、万一の端末の紛失・盗難時にも、Windows 8.1 Enterpriseの暗号化機能「BitLocker」によりデータ漏えいのリスクを抑止できたという。 (中略)端末の使い分けを意識することなく、「人が考える」ことに今まで以上に集中できる環境が整い、より創造的な活動が実現できることを期待しているという。」ビジネス+IT 20140703より)

国内で2番目にiPadの活用をスタートしたエーザイでは、引き続きiPadに軸足を置いたビッグデータの活用などが続けられる見通しですが、今回の大塚製薬の決定を見て、各社どのような動きを見せるのでしょうか。

4年が過ぎ、スマートフォンもタブレットも、様々な選択肢が出始めました。先日はASUSからTransformer Book Vという、ノートブックPC・タブレット・スマートフォン兼用になり、かつOSもAndroidとwindows8の両方を使用できるという一台5役の兼用マシンが発表されましたが、使い勝手の良い兼用型のデバイスが次々と発表されてくれば、製薬業界にけるApple一強の状況も、変わっていくかもしれませんね。

(文・栗山 鈴奈)

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