2019年3月末のMR(医薬情報担当者)総数が、ついに過去最大の減少幅を記録しました。
MR認定センターがまとめた「2019年版MR白書」によると、全国のMR数は昨年同月に対し2346人の減少。2009年以来、実に9年ぶりに6万人を割り込みました。ピーク時は2013年度の6万5752人。5年で6000人近く減ったことになります。
2013年以前のMR数を顧みると、2000年度には4万9212人と5万人にも満たない程度でした。それが年々増加の一途を辿り、2009年には5万9712人。そして4年後の2013年にはそこからさらに6000人増加しました。
「4年で6000人増加したのなら、5年かけて元の数字に戻ったのはある意味順当では?」という声もありますが、現在は、当時のように生活習慣病薬のプロモーションに力を入れるためMRを積極的に増員していた時代とは異なります。
財務省からも医療費削減の観点から製薬企業の「営業費用などの販管費の比率が高い」という指摘がされる中、各社ではプロモーション費の抑制と業務効率化が進められています。転職者が少ないパイを奪い合う状況は、今後さらに激化するでしょう。
オンコロジーやバイオといった専門MRに転職できる経験・スキルを持たないMRの中には、医療機器など周辺業界へキャリアチェンジを行う方も増えています。ベテランほど「自分は大丈夫」と考えず、早めに自身の市場価値と求人動向を確認しておくことが重要となるでしょう。
MR数減少について、詳しくは当社が運営するAnswers Newsにも記載があります。
(文・栗山鈴奈)