少し宣伝めいたお話しになりますが、当サイト「MR BiZ」の姉妹サイトで私が編集長を努める製薬業界向けのニュース解説メディア「AnswersNews」が、先月から「製薬業界転職市場トレンド」というコーナーを始めました。
MR BiZを運営する株式会社クイックの製薬業界専任のコンサルタントが毎月、製薬業界の転職市場動向をレポート。注目の職種については、キャリアの考え方も含めて詳しく解説しています。1回目となった9月の記事では、注目職種としてMRを取り上げました。
MR認定センターの「MR白書」を見ても分かる通り、業界全体のMRは減少が続いています。2013年度には6万5752人を数えた国内のMRですが、14年度以降の3年間で2500人以上減りました。求人件数もここ数年は減少傾向にあるといいます。
減少の要因には、生活習慣病領域の大型新薬が出なくなった一方で、新薬がスペシャリティー領域に移っていることや、長期収載品の売り上げ減による収益性の低下していることなどが指摘されます。国内市場はこの先、停滞が見込まれており、営業の生産性を維持しようと思えば人員に手を付けざるを得ません。
一方、オンコロジーや中枢神経系、自己免疫疾患といった専門領域では引き続きニーズがあり、求人も出ています。コンサルタントによれば、MRの中途採用は今後も全体としてはゆるやかに減少しながら、スポット的に募集が行われる傾向が続くと予想されます。
専門領域の経験がない人にとっては、MRとして転職するには選択肢が少ないのが実情です。記事では、MR以外の職種に転職したケースもあると紹介されていました。場合によっては、ほかの職種への転職も視野に入れたほうがいいのかもしれません。
いずれにしても、長期的な視点でキャリアを考え、腰を据えた転職活動を行う必要があると言えそうです。
AnswersNewsの「製薬業界転職市場トレンド」では毎月、前月と比較した職種別の求人の増減もご紹介しています。転職活動の参考に、ぜひご覧ください。
(文・前田 雄樹)