MR BiZをご覧の皆さんはもうご存知かと思いますが、先月、MR認定センターが2018年版のMR白書を公表しました。
それによると、2017年度のMR数は6万2433人で、前年度から752人(1.2%)減少。MRが減るのは4年連続で、ピークとなった2013年度(6万5752人)と比べると、この4年で3319人減りました。薬価の引き下げや後発医薬品の使用拡大といった市場環境を考えると、今後も減少は避けられそうにありません。
MR白書からは、製薬企業がMRの採用を絞り込んでいる様子もうかがえます。2017年度にMRの中途採用を行った企業は全体の61.4%で、前年度と比べると1.0ポイント減少。2018年4月に新卒採用を行った企業は43.8%と半分以下にとどまり、前年度から2.4ポイント減りました。中途採用を行った企業が減ったのは2年連続、新卒採用が減少したのは4年連続です。
2018年版のMR白書で特徴的だったのは、これまで増加傾向にあったCSO(医薬品営業受託機関)のMR(コントラクトMR)が前年度比9.5%減と大幅に減少したこと。特に1000人以上のMRを抱える大手メーカーでコントラクトMRの活用が落ち込みました。
日本CSO協会は、中小メーカーでの活用が広がっていることなどから、コントラクトMR数は再び増加に転じると見ていますが、メーカー側が自社・外部委託を問わず本格的に営業リソースを絞り込み始めたと捉えることもできます。コントラクトMRの減少が一時的なものなのか、そうでないのか、今年度以降の動きが注目されます。
このコラムでも以前ご紹介した通り、厚生労働省はMRなどが行う医療用医薬品のプロモーションを規制するガイドラインを策定中。MRには、数と質の両面から厳しい目が向けられています。
(文・前田雄樹)