いよいよ4月1日から、薬価改定が実施されますね。薬価が変われば、MR活動はもとより、企業の経営にも大きな影響を与えることになります。そのような中、注目すべきは、2010年より実施されてきた新薬創出加算(特許期間中は薬価据え置き)の対象。
対象となったのは、702品目。昨年同様、オンコロジーや中枢神経系など、アンメット・メディカル・ニーズの医薬品が中心でした。
【新薬創出加算を取得した企業トップ10(品目数順)】
1位 グラクソ・スミスクライン(51品目)
2位 ファイザー(43品目)
3位 中外製薬(35品目)
4位 MSD(35品目)
5位 ヤンセンファーマ(32品目)
6位 ノバルティスファーマ(30品目)
7位 アステラス製薬(25品目)
8位 サノフィ・アベンティス(24品目)
9位 アストラゼネカ(23品目)
10位 第一三共 / イーライリリー(22品目)
外資系企業の強さが顕在化する中、国内大手も中外製薬とアステラス、第一三共が健闘しています。そのような中、明暗が分かれたのはエーザイ。昨年は加算対象だったアルツハイマー型認知症治療薬・アリセプトが加算対象外となりました。業界トップシェアの同医薬品の薬価が16.7%の引き下げとなった一方で、メマリー(第一三共)とイクセロンパッチ(ノバルティス)は新薬創出加算を獲得。
いずれも昨年の6~7月に発売された製品で、特にノバルティスのイクセロンパッチは、初の貼付薬ということで、それまでにあった服薬介助等の問題を克服する新しい選択肢として注目を集めていました。薬価改定が企業とMRにとって追い風となるか逆風となるか。転職先を見極める上では、こうした各社の明暗から目が離せなそうです。
(文・須藤 利香子)