1月3日、米ブリストル・マイヤーズスクイブが、多発性骨髄腫治療薬「レブラミド」で知られる米セルジーンを約8兆円で買収すると発表しました。新年早々のビッグニュースに、正月気分が吹き飛んだという方も多かったのではないでしょうか。
この数日後、今度は米イーライリリーが、がんドライバー遺伝子に着目した抗がん剤の開発を手がける米ロキソオンコロジーを約8600億円で買収すると発表。1月8日は、武田薬品工業がシャイアー買収を完了させました。
米ブルームバーグ通信は相次ぐ大型買収を受け「製薬業界に新たなM&Aの波か」と題する記事を配信(1月8日)。米国で開かれた証券会社のイベントで、米ファイザーや米ギリアド・サイエンシズの幹部が買収に意欲的な発言をしたといいます。今年の製薬業界は、大型M&Aのラッシュになるかもしれません。
国内に目を向けてみると、今年はCAR-T細胞療法や遺伝子治療など、新たなカテゴリーの医薬品が続々と承認される見通しです。
ノバルティスファーマのCAR-T細胞療法「キムリア」は昨年4月に申請されおり、今年前半の承認が予想されます。同じくノバルティスが申請している脊髄性筋萎縮症向けの遺伝子治療も、今年上半期に承認の見通しです。
平成が終わり、新たな元号がスタートする2019年。製薬業界にとっても、新時代の到来を感じる年になるでしょう。
(文・前田雄樹)