新年あけましておめでとうございます。
今年もMR BiZをどうかよろしくお願い致します。
年明けと言えば、各社の年頭所感が発表される時期ですが、皆さんはもう目を通されましたか?
「2018年は、厳しい薬価改定の年」(エーザイ・内藤晴夫CEO)、「(薬価改定は)非常に厳しい内容、と受け止められている」(塩野義製薬・手代木功社長)、「(薬価制度改革によって)一層の厳しい事業環境が見えている」(田辺三菱製薬・三津家正之社長)など…。
2018年の年頭所感は、今年4月に実施される薬価制度改革を意識する内容が多く見受けられました。
他業界に比べれば営業利益率が高いとされる製薬業界ですが、その一方で、新製品の開発にかかる研究開発費も突出しているのは周知の通り。
薬価引き下げは新薬開発の萎縮に繋がる恐れもあるため慎重な議論を望みたい、というのが製薬メーカー側の主張ですが、政府も闇雲に薬価の引き下げを主張しているわけではありません。端的に言えば、製薬業界の産業構造には改善の余地がある、と考えているようです。
財務省は10月25日の財政制度等審議会・財政制度分科会で、MRについて「医師5人に対して1人のMRによる営業が行われ、待ち時間や雑務が多いとの調査結果がある」と指摘した。製薬企業の費用構造を論ずる中で主張したもの。製薬業界は研究開発費が他の産業に比べ高率で、成功確率が低いとされているが、財務省は、研究開発費以上に「営業費用など研究開発費以外の販管費の比率が高い」と指摘した。(ミクスonline2017/10/26より)
この試算がどの程度現実味を帯びたものなのかは議論の余地がありそうですが、このタイミングで発言力ある財務省がMRの業務内容に言及したことは、看過できません。今回の薬価改定を受けて、MRの削減トレンドや業務整理がさらに加速しないか、懸念されるところです。
昨年の漢字は「北」になりましたが、2018年は業界にとってもMRにとっても、引き続き「北」風の吹く年になりそうです。
(文・栗山 鈴奈)