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開発費の高騰から製薬会社を救う?注目高まるバーチャルトライアル

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[ 2018年11月08日(木) ]

開発費の高騰から製薬会社を救う?注目高まるバーチャルトライアル自宅にいながら臨床試験に参加することを可能に――。製薬業界で今、「バーチャルトライアル」(遠隔臨床試験)に対する注目が高まっています。

バーチャルトライアルとは、モバイル技術やセンサー技術を活用することで、必要なデータを遠隔で取得する臨床試験のこと。患者(被験者)は、医療機関に通院することなく、自宅や勤務先などから臨床試験に参加することが可能になります。

従来型の臨床試験では、「臨床試験を実施している施設が遠い」「忙しくて通院する時間がない」といった場合、患者は臨床試験への参加を断念せざるを得ませんでした。実際、参加条件に該当するにもかかわらず、臨床試験に参加している患者はほんの一握り。バーチャルトライアルの最大の狙いは、患者の負担を軽減し、臨床試験のアクセスを上げることにあります。

バーチャルトライアルは、新薬開発を行う製薬企業にとっても大きなメリットがあります。臨床試験へのアクセスが向上すれば、患者を集めるための手間と費用が減り、新薬開発の時間とコストの削減につながると期待されています。CRO(医薬品開発受託機関)大手の米IQVIAは、臨床試験をバーチャルで行うことで、従来型臨床試験に比べて費用を20~25%を削減でき、試験期間も4~5カ月程度短縮できるとしています。

欧米の大手製薬会社は活用に本腰を入れ始めており、スイス・ノバルティスや仏サノフィが米国のIT会社「サイエンス37」と提携してバーチャルトライアルを開始。米メディデータやIQVIAも今年、相次いでバーチャルトライアルサービスの提供を始めました。

バーチャルトライアルは、開発費の高騰にあえぐ製薬会社を救うのか。今後の新薬開発を大きく左右しかねない動きだけに、MR(医薬情報担当者)としても注目しておきたいところです。

(文・前田 雄樹)

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