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貼り薬のトレンドは製薬業界にどれほどのインパクトをもたらすか

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[ 2019年07月18日(木) ]

貼り薬のトレンドは製薬業界にどれほどのインパクトをもたらすか貼り薬をはじめとする経皮吸収薬に力を入れる企業が増えています。

と言っても、単なる湿布薬ではなく、各社が注力するのは統合失調症や認知症、花粉症といった疾患を対象とした、新しいタイプの貼り薬です。

昨年、久光製薬は経皮吸収型パーキンソン病治療薬を承認申請。今年の2月、協和発酵キリンが同治療薬の国内販売権を得ました。また、大日本住友製薬による世界初となる統合失調症の貼り薬の国内販売も秒読み段階となっています。

需要が高まる背景には、主にその利便性があるとされています。

「貼り薬は錠剤に比べ、治療効果や患者の生活の質を高めやすい。錠剤で問題になる飲み忘れや飲み過ぎを防ぎやすく、医師や介助者にも服薬の状況が一目で分かる。薬の有効成分が切れにくく、副作用は抑えやすい。飲み込む力が衰えた高齢者も安全に使うことができる。薬が胃や腸を通らないため、食事の影響も受けにくい。誤えんによる事故を防いだり、食事の内容や時間の制約を減らしたりできる」日本経済新聞より)

ですが、貼付薬の需要は、こうした経口薬の継続的服用が難しい高齢者とその家族に留まるものではありません。久光製薬は昨年、もうひとつ世界初となる貼り薬を承認申請しています。それは、経皮吸収型アレルギー性鼻炎薬アレサガテープ。湿布薬に強い製薬メーカーやフィルム技術を持つメーカーが中心となって、既存経口薬を患者負担が少なく手軽な貼り薬へと置き換えていく…そんな動きが、新たな市場を拓きつつあります。

加えて、イギリスでは、生きた人間の幹細胞を含有した絆創膏で心臓発作患者の心筋細胞を再生させる研究が進行中。貼り薬がもたらす新たな治療法の確立にも期待が集まっています(ガーディアン紙)。

マーケッツアンドマーケッツ社によると、2018年から2023年までの5年間で経皮吸収薬の市場は57億ドルから71億ドルへと増進する見通し。MR(医薬情報担当者)は、オンコロジーをはじめとするスペシャリティ領域をのぞき、求人数が激減していた昨今ですが、こうした既存薬の置き換えが、MRの採用ニーズにどう繋がっていくか…注目したいところです。

(文・須藤 利香子)

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