ゴールデンウィークも明けて、製薬企業各社からの決算発表が続々と出そろってきています。今回はその一部をご紹介しましょう。
アステラス製薬(国際会計基準)
- 売上高1兆2472億円(前期比9.4%増)
- 営業利益1856億円(59%増)
- 純利益1358億円(49.5%増)
国内では「リピトール」の落ち込みが目立ったものの、成人間接リウマチ治療薬「シムジア」や前立腺がん治療薬「ゴナックス」、選択的SGLT2阻害剤「スーグラ」など、新薬の売上が増進。海外で主力の前立腺がん治療薬「イクスタンジ」が売上を牽引した。「イクスタンジ」と過活動ぼうこう治療薬「ベシケア」は、今後も国内・国外で好調となる見通しで、2016年3月期は連結純利益(国際会計基準)1700億円(25%増)と予想されている。
塩野義製薬(日本基準)
- 売上高2739億円(前期比5.4%減)
- 営業利益503億円(18.6%減)
- 経常利益778億円(25.2%増)
- 純利益440億円(8.5%増)
売上高・営業利益とも前年を下回ったものの、英ViiVヘルスケアに導出した抗HIV薬「デビケイ」と「トリーメク」の海外販売が堅調につき、ロイヤルティ収入が大きく貢献。3期連続で過去最高益を更新した。16年3月期も経常利益795億円(2%増)を見込み、過去最高益更新は4期連続となる見通し。
大塚ホールディングス(日本基準)
- 売上高3850億円
- 営業利益515億円
- 純利益339億円
決算期が変更となったため、前期比は未記載だが、営業利益は実質3倍程度、純利益も2.8倍程度と好調。薬価改定の影響から抗血小板剤「プレタール」などの売上が伸び悩んだものの、主力の抗精神病薬「エビリファイ」の好調ぶりが業績を支えた。但し、「エビリファイ」は今年4月に米国での特許が切れたため、実質5割以上の減収となる見通し。15年12月の純利益は800億円と予想される。
大日本住友製薬(日本基準)
- 売上高3713億円(前期比4%減)
- 営業利益232億円(45%減)
- 純利益154億円(前期比23%減)
薬価改定により国内販売が苦戦。加えて、利益率が高いことで知られる抗精神病薬「ラツーダ」の広告宣伝費が響いた。但し、今後ラツーダを初めとする新薬の海外販売が伸びる見通しで、16年3月期の純利益は180億円(17%増)となる見通し。
これからしばらく、各社の決算発表が続きます。
気になる企業の業績および来期の見通しは、チェックしておきたいですね。
(文・栗山 鈴奈)