3月11日の東日本大震災から1ヶ月が過ぎました。しかし、未だに大きな余震が起こるなど、まだまだ油断できない状況が続いています。
震災直後、MRに自宅待機を命じた企業も多かったと聞きます。逆に通常営業を行ったとしても、医療機関の混乱、深刻なガソリン不足といった、MR活動自体がしにくい状況が続いていました。
3月29日の薬事日報に、このような記事が掲載されています。
『東日本大震災の発生後、医僚現場が医薬品確保や計面停電への対応に追われる中で新薬のプロモーションのために来訪するなど、配慮に欠けるMRがいたとの指摘が医療関係者からあった』
この病院は東京都内にあり、MRとしては、普段通りの活動をしたまでという気持ちだったのでしょう。
しかし、病院側は「対応に追われていてそれどころではないのに」「医師さえガソリン不足を鑑み自転車通勤に切り替えているのに」と複雑な心境だったようです。
その一方で、
「震災後、頻繁に薬の在庫を確認しに来てくれた」
「物資と応援メッセージを差し入れに来てくれた」
「医薬品不足の解消など援助方法に関する打ち合わせにきてくれた」
といった病院からMRへの感謝の声も目にします。
MRは、患者の命を救う大切な仕事。この非常事態にどう動くべきなのか、時には会社側の方針と現場の温度感に悩むこともあるかもしれません。しかし、そのような中、あるMRの方はこう語っていました。
「こういうときこそ、医薬情報提供者として、商品供給の見通しや代替薬の情報といった詳細な情報提供と、病院側を思いやる気持ちが重要になるのではないか。薬を必要している患者さんたちのためにも」
MRの皆さんにとってもたいへんな時期だと思いますが、頑張って下さい。
皆さんのご活躍を、心からお祈りしています。
(文・栗山 鈴奈)