6月1日、クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパンの清水昇社長を会長とした、日本CSO協会(JCSOA)が発足しました。
加盟企業はIML、アプシェ、アポプラスステーション、インヴェンティブ・ヘルス・ジャパン、オースクエア、クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパン、シミックエムピーエスエス、ファーマネットワーク、メディサイエンスプラニングの全9社。
今回、日本CSO協会が発足したのは、「協会をテコに、MRと企業の両方の質が向上し、業界が成長する方向に持っていきたい」(薬事日報2011年6月2日より)と清水会長が話すように、国内CSO9社が結束して業界全体のサービスの向上・品質確保を目指すことにあるようです。
これまでコントラクトMRは、新薬の早い市場浸透を計る際のマンパワー補填の意味合いが多分にありました。そうしたCSOのビジネスモデルは商品力の強いブロックバスター薬との相性が強く、2000年から2010年までの10年間で、国内のコントラクトMRは5倍以上に増加。市場は急速な発展を遂げていきました。
しかし、近年は2010年問題により、ブロックバスター薬が次々に特許切れ。市場の中心を担う新薬は、オンコロジーや希少性疾患など、アンメット・メディカルニーズに応えるものが中心となりつつあります。
MRには専門性が求められ、ドクターへのディテーリングの際も、より細密な情報提供が必要になった今、コントラクトMRにも専門性が重要視されるということでしょう。コントラクトMRがスペシャリストとしてメーカーに“助っ人する”ようになる日もそう遠くないかもしれません。
日本CSO協会の具体的な活動は、『人事・教育運営委員会』『法務・ガイドライン運営委員会』『広報・マーケティング運営委員会』の三つの柱で進めるとされているだけで、今のところコントラクトMRの業務内容や教育制度がどう変わっていくのかは、まだはっきりとはしていません。ですが、協会はひとつの指標として、「4年後を目処にコントラクトMR数倍増を実現する」としており、かなりの注力が予想されます。
いずれにせよ、現在コントラクトMRとしてキャリアを積んでいる方にとっては、これまで以上の成長機会に恵まれることは、間違いないでしょう。高い専門性を身につける機会、MRとしての将来性とスキルの向上。コントラクトMRが今後の具体的なキャリアアッププランを立てる意味でも、日本CSO協会の活動にはぜひとも注目していたいところです。
(文・栗山 鈴奈)