今月17日付けで、厚生労働省医薬食品曲審査管理課によって新たに28品目の新薬が承認されました。日刊薬業、日刊工業新聞、ミクスOnline他が報じています。
今回最も注目されているのは、アステラス製薬の選択的SGLT-2阻害剤イプラグリフロジン L-プロリン「スーグラ錠25mg、同50mg」が、2型糖尿病の効能・効果で承認を得たこと。SGLT-2阻害剤は、10日にアメリカで承認されたダパグリフロジンを含む6剤が承認申請に出されているなど、まさに“激戦区”。そんなSGLT-2阻害剤の中、「スーグラ錠25mg、同50mg」は国内一番乗りで承認されました。
アステラス製薬は、寿製薬やMSDと共同で同剤のプロモーションを行っていく見通しですが、来たる24日に行われる厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会では、先述のダパグリフロジン「フォシーガ」(ブリストル・マイヤーズ)の承認可否が審議される模様。MR(医薬情報担当者)としては新年早々、各社の動きから目が離せませんね。
この他、がん領域では、武田薬品工業の悪性リンパ腫治療薬「アドセトリス点滴静注用50mg」や、オンコロジー初参入となる日本ベーリンガーインゲルハイムの肺がん治療薬「ジオトリフ錠」が承認となりました。
2014年1月17日の日刊薬業に、PMDAの近藤達也理事長のコメントが記載されていました。
「(PDMA)発足からの10年間で『審査スピードは欧米に追いついた』」との認識を表明。当初の大きな課題だったドラッグ・ラグがほぼ解消されたことで、『これからは誰も評価していない真っさらな新薬を審査・承認するための審査能力が強く問われる』」
近藤理事長はさらに「最先端の科学水準に精通した審査員の育成・増員が課題になるとし、次期中計ではPMDA全体で1000人体制を目指した組織拡充に意欲を見せた」とのこと。安倍内閣による日本版NIH・「日本医療研究開発機構」の計画により、各種研究開発も活発化する見通しも踏まえると、国内市場はパテントクリフ以来の盛り上がりに向けて、第一歩を踏み出したと言えるかもしれません。
(文・須藤 利香子)