お盆はいかがお過ごしでしたか?
私は実家に帰省するついでに、今度家を建てるのだという姉夫婦のところへ立ち寄りました。驚いたのはその工法。燃えない素材や地震に耐える木造構造など、建築業界の発展はめざましいものですが、姉が採用した技術は、なんでも「アトピーが出にくくなる工法」。果たしてどんなしくみなのでしょうか。
お盆休みの少し前。8月6日にこんなニュースが発表されていました。
「皮膚などにあるタンパク質「インターロイキン33」(IL33)が過剰に生み出されるとアトピー性皮膚炎の発症につながることを、兵庫医科大と三重大のチームがマウスの実験で明らかにし、5日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表した。」(8月6日 共同通信より)
アトピー性皮膚炎患者の体内のIL33が通常と比較して多いことはわかっていたものの、詳しい因果関係が判明したのはこれが初めて。また、大阪大大学院医学系研究科の研究チームは7月31日、発汗量とアトピー性皮膚炎の症状の関係性についても究明しています。
「アトピー性皮膚炎のかゆみなどの症状を引き起こす化学物質ヒスタミンが、発汗を抑えて皮膚を乾燥させるなどし、病状を悪化させる(中略)。アトピー性皮膚炎の患者では、発汗量が通常の人の約半分になっており、チームは汗をかかないことが悪化の一因と考えた」
建築業界がアトピーに着目したのは印象的でしたが、それだけ日本人にはアトピーに悩むご家庭が多いということ。一説によれば、総患者数は、潜在層も含めると日本人の20%前後とも言われています。長いことステロイド剤によって炎症を抑える治療が主でしたから、今回の発見にはとても大きな期待がかかります。MRとしても、アトピー性皮膚炎の画期的な新薬登場に繋がるかもしれないニュースとして、今後も業界と製薬メーカー各社の動向を見守りたいですね。
(文・栗山 鈴奈)