あけましておめでとうございます! 本年もMR BiZと未来図:MRをどうかよろしくおねがいします。
さて、2011年の最初のエントリーは、女性MRに関する話題です。
「女性MRは離職率が高いと聞きますが、MRは女性にとって大変な仕事でしょうか?」
という質問が、ここ1~2ヶ月の間、MRの転職Q&Aへ多く寄せられました。
これは、MRに関わらず、女性は結婚や出産や育児といったイベントから、男性よりも離職してしまうケースが多いです。特にMRの場合、勤務地の融通が利きづらいことや、働き方や配属先によっては勤務時間が長くなる傾向があることから、結婚・出産・育児に加え、配偶者の転勤や子供の保育園への送り迎えなどがあった際にも、続けにくい側面がありました。
結果、質問して下さった方が仰るように、確かに女性の離職率が高い時期がありました。
ですが、現在は少し違っています。製薬メーカーでは、「結婚しても/出産しても仕事を続けたい」という女性に向けた制度を完備するところが多く、今やMRは、「女性が働きやすい業種の1つ」と言われるほど。
その証拠に、ここ15年程度の間に、女性MRの数は6倍以上に急増。女性MRの占める値は全MRの9人に1人という程度ですが、この数字は今後さらに伸びていくと言われています(平成21年の(財)医薬情報担当者センター実施の調査による)。
女性MRとして、初めて役員起用されたファイザー株式会社の清村千鶴さんが、2010年の「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2010」大賞の3位に選ばれたことをご存じでしょうか。女性MRを積極的に管理職登用していく姿勢も随所で見受けられます。
ある製薬企業の人事担当は、女性に期待する理由をこう語ります。
「かつてMRがプロパーと呼ばれ、その仕事内容も接待営業が中心だった時代、これは男性に向いている職業でした。ですが、現在のMRに課せられている医薬情報担当者というミッションは、緻密な情報を、的確なタイミングで精確に伝える必要があり、体力よりも、細やかな気配りの方が大切になります。ですから女性の方にはいっそう期待を寄せているんですよ。現に弊社でも女性MRの評判がとても良いのです」
このほかにも近年では女医の増加も相まって、病院内でコミュニケーションを取りやすい女性MRの起用に力が入っている、という声もありました。日本製薬工業協会が行った調査では、平成18年度(2006年度)時点で、調査対象となった大手製薬会社のうち、実に12社が男性よりも女性MRを多く採用したといいます。
採用枠を拡大した各社が現在取り組むのは、「女性MRが安心して長く働ける環境づくり」。それでは、具体的な各社の優遇制度は、どのようなものがあるのでしょうか?
次回、詳しくお伝えします。
>>女性MRが初めて執行役員に起用された、ファイザーの最新動向
(文・栗山 鈴奈)