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大病院におけるジェネリック医薬品への置き換えに関する参考情報 その2

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[ 2011年11月17日(木) ]

大病院では院長や薬剤部が主導で後発薬の一斉置き換えを行う、その際に現場の医師たちの懸念を解消することが大切だというお話をしました。今回は、大病院がジェネリックを導入する際に想定される3つのリスクについてお話しします。

1つめは、もちろん効能です。これまで「効いた」新薬を使い慣れた側からすれば、後発薬の効能・副作用には懸念が募るもの。特に5年生存率の癌領域では、抗がん剤の後発薬が、まだ誕生して5年経っていないため、医師だけでなく、比較的裕福な患者さんからも敬遠される傾向にあるそうです。

2つめは、製品の微妙な差異による不具合。仮に同じ効能を発揮する薬だったとしても、例えば「防腐剤が入っているから喘息症状のある患者に投与できない」、「注射薬でパック剤からアンプル剤に切り替わると手間が増えて大変」…といったオペレーション上の不具合が生じます。

ところで、懸念される副作用等ですが、ある病院での事例報告は、置き換えを行った薬70品目中、アナフィラキシーショックが1件のみ。むしろ、副作用でも作業の手間でもない、誰も予想できなかったリスクの方が深刻だったと言います。

これこそが、3つめのリスク。それは、効果・効能の異なる先発薬・別の後発薬との名前の類似。投与を行う看護師が、名称を間違え、薬を取り違える事件が発生してしまったのです。診療所では起こりにくいことですが、数百もの薬を扱う大病院では、薬どうし似た名前のものが混在する事態は少なくありません。また、看護師をはじめ現場全体に、新しく置き換えられた後発薬の存在を浸透させるには、とても時間が掛かってしまうのです。

また、大病院のDPC導入は、後発薬への置き換えがほぼ一斉のタイミングとなるため、いろんなメーカーのMR(医薬情報担当者)が同時期に訪れ、それぞれ自社製品のディテーリングを行うことになるでしょう。これは私見ですが、他社と情報提供の質について見比べられる機会が多くなるため、効果・効能に限らず、よりいっそう緻密かつホスピタリティある対応が求められそうです。

(文・須藤 利香子)

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