2011年11月時点でのジェネリック普及率は、23.2%。2012年度末に30%と設定された目標には、まだ遠く及ばないものの、最近では悲観する声ばかりではなくなっているのが現状のようです。
今年4月に行われた診療報酬改定。ジェネリック促進の一環として始まった一般名処方加算の効果か、一般名処方を行う医師が急増しているという記事が、7月6日のミクスonlineに出ていましたね。本文を引用します。
一般名処方を「行っている」「一部行っている」との回答は34.4%(昨年12月調査17.2%)だった。「行っている」「一部行っている」との回答を勤務施設別にみると、病院医師が30.1%、診療所勤務が56.0%となり、診療所の医師で突出していた。
調査はケアネットが行い、同記事では、これまで一般名処方を行っていなかった医師の6割近くも、「薬剤によっては一般名処方でも良い」と前向きな解答をしたことが書かれています。
製品名ではなく成分名で処方が行われるようになれば、それだけジェネリックに切り替えがしやすくなるメリットがあります。こうした背景に加え、よりインパクトが大きいのが、後発医薬品調剤体制加算の見直しです。
後発医薬品調剤体制加算は、既にご存じの方も多いとは思いますが、調剤薬局がジェネリック医薬品をどの程度使用するかによって算定されるもの。政府としては、医師・薬局の両方から後発薬への切り替えを促したい意向ですが、それにしてもこれまでと比べて、4月以降はかなり厳しい要件が設定されました。
下記は、調剤薬局における体制加算の改訂前後を比較した表です。
処方箋1000~2000枚程度の調剤薬局では、ジェネリック使用割合が30%未満のままなら年収が百万円以上ダウンします。30%以上であれば数十万~数百万円規模でのアップとなる計算です。これまで20%程度だった薬局は、今までよりも10%以上は引き上げない限り、加算がマイナスになってしまいます。
かなり厳格な基準に見えますが、これは政府としての全体目標の30%を、そのまま調剤薬局一件一件に対して反映した恰好。薬局側としては売上に大きく直結する結果となるだけに、否が応でもジェネリック医薬品の使用促進を検討していくことになりそうです。
後半へ続く。
(文・栗山 鈴奈)