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国際会計基準と日本基準はどう違う? 製薬メーカー各社の2014年上半期決算に際して

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[ 2014年10月30日(木) ]

先日より、2014年上期の決算発表が順次行われてきています。連休前の今がまさに決算発表のピークとなり、31日までに武田やアステラス、第一三共、エーザイ、塩野義といった大手どころが出そろう予定です。

現在までにわかっている範囲では、例えば、田辺三菱は、21日時点で発表した連結業績予想で、後発薬の影響が想定を上回り、売上高を下方修正すると発表。中外製薬では、がん治療薬の国内販売が好調につき増収増益となっているなど、各社決算の明暗は分かれている様子。この内容により、各社とも今後の採用計画が変わるため、ぜひとも注視したいところですね。

但し、注意したいのは、今年から大手企業の決算には国際会計基準(IFRS)が採用されていること。国際会計基準は、下記の図のように日本基準と処理の仕方が異なるため、財務内容の見え方はかなり変わってきます。

日刊薬業(10月23日)によると、「IFRSベースで決算発表するのは、武田、アステラス、第一三共、エーザイ、中外製薬など。一方、大塚、田辺三菱、大日本住友、協和発酵キリン、大正、塩野義などは日本基準で発表する予定だ。同じ企業の業績でも、IFRSペースを日本基準に置き換えた場合、黒字と赤字が逆転することも起こりうる。2014年3月期まではIFRSで決算発表した企業の多くが参考情報として日本基準の業績も発表していたが、大手各社は今後、日本基準を公表しない方針を取っている。」

同記事の末尾も同様に締めくくられている通り、二つの基準をまたいで製薬各社の業績を単純比較はしないこと。それぞれの決算の背景を理解して、できるだけ慎重に業績を見極める「目」が重要になるでしょう。

(文・栗山 鈴奈)

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