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ガニメド買収でアステラスはイクスタンジに次ぐ第二の柱を手にできるのか

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[ 2016年11月03日(木) ]
ガニメド買収でアステラスはイクスタンジに次ぐ第二の柱を手にできるのか

アステラス製薬ホームページ

10月28日、アステラス製薬によるバイオ医薬品企業買収が発表されました。

アステラス製薬は28日、独バイオ医薬品企業のガニメド社を買収すると発表した。同社の全株を4億2200万ユーロ(約480億円)で取得する。開発中の抗がん剤の進捗状況に応じて最大で8億6000万ユーロ(約980億円)まで支払う可能性がある。同社が保有するがんに対する抗体医薬品を取り込み、がん領域の医薬品を強化する。(日本経済新聞2016/10/28

ガニメド・ファーマシューティカルズ・エーゲー(Ganymed Pharmaceuticals AG)は、2001年に設立されたドイツのバイオベンチャー。オンコロジー領域で新薬の開発を複数進めています。現在、胃がんや食道がんを対象とした抗体プログラムが後期開発段階にあり、アステラスとしては買収によって、強みを持つオンコロジー領域をさらに強化したい狙い。

プレスリリースを通じて、アステラス製薬CEOの畑中 好彦氏は次のように述べています。

「Ganymed社が有する後期開発段階の抗体プログラムを取り込むことにより、がん領域におけるプレゼンスを更に拡大できると考えており、XTANDI®に続くがん領域の新たな中核になるものと期待しています」

さて、アステラス製薬といえば、前立腺がん治療薬・イクスタンジが有名です。年間数千億円単位の売上を誇るブロックバスターですが、例の市場拡大再算定の影響を受け、薬価が25%ダウン。日本での売上高は118億円(第2四半期)と、前年同期比で9.9%減となりました。加えて、米国でも円高の影響もあって米国市場で8.3%減と成長が鈍化。意外にも苦戦を強いられる結果となりました。

このイクスタンジをめぐって、8月末にメディベーションがファイザーに買収されたのは記憶に新しいところです。アステラスとメディベーションは「米国は共同販売・利益折半、それ以外の国はアステラスが独占販売する」といった旨の契約を取り交わしていました。

ミクスOnlineによると、米国市場はイクスタンジの全世界の売上のおよそ半分を占めるとされていますから、その営業網がファイザーに代わったことは、むしろアステラスにとっても強力な追い風になるのでは、と言われています。

アステラスの2016年通期の売上高予想は下方修正されているものの、イクスタンジの販売網変更と、ガニメド買収により手にした新たなオンコロジー新薬は、今後どのような結果を招くのでしょうか。同社の動向に注目が集まります。

 (文・須藤 利香子)

 

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