1. MR 転職【MR BiZ】HOME>
  2. お役立ちコンテンツ>
  3. コラム『未来図:MR』>
  4. 『アレグラ』ほか第2世代抗ヒスタミン薬による、熾烈な花粉症の戦い

『アレグラ』ほか第2世代抗ヒスタミン薬による、熾烈な花粉症の戦い

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2013年03月21日(木) ]

花粉症の薬いよいよ花粉症シーズンが到来です。幸い私は「花粉症になりかけ」というくらいですが、たまに喉に違和感を感じたり、目がむずむずしたり…すぐそこまで迫っているような心地がしています。

昨年頃から食生活を見直したおかげか、今年は例年よりも違和感は少なく感じています。アレルギー反応を抑えるためには、「チョコレートや青魚に代表されるヒスタミンを含む食物を食べないことが重要」と言われていますが、その一方で青魚は「プロスタグランジンを押さえる働きがあるから食べた方がよい」とされていたり…。食事療法といってもまだまだよくわからないので、まずは欧米型の肉食・油中心から魚・野菜中心にシフトしただけですが、それだけでも効果があったような気がしています。

さて、今年は全国的に花粉の飛散量が多く、3月14日に日本気象協会が発表した内容によれば、関東・東北地方は昨年比3~4倍、北海道は同8倍にも達する見込みだそうですね。花粉の飛散量と比例するように、各社のアレルギー薬のプロモーションも激化しています。特に第2世代の抗ヒスタミン薬をめぐる戦いは、熾烈さを極めています。

中でも注目は、サノフィ・アベンティスが販売してきた『アレグラ』を巡る動き。『アレグラ』は、副作用(眠気や、インペアードパフォーマンスの低下)が少ないことで支持され、約25%という圧倒的なシェアを誇るトップ商品。『Yakugyo Jiho 2013.2.10号』によれば、医師の満足度が最も高かった第2世代抗ヒスタミン薬でもあります。

ところが、嵐の大野智さんや桜庭和志さん、大場はるかさんのCMが放映されているように、2011年11月、エルメッドエーザイと小林化工がスイッチOTC『アレグラFX』を販売。さらにこの2月からは、後発薬「フェキソフェナジン塩酸塩錠30mg・60mg」が発売に。

サノフィは、鼻づまりのあるアレルギー症状に特化したアレグラ配合剤『ディレグラ』が承認となり、この2月からリリースされることになりました。逃げ切りをはかりたいところですが、ここ1~2年の間にアレジオンやジルテックなどの抗ヒスタミン薬もスイッチOTCが登場。今期だけで、参入するスイッチOTCは4製品にも登り、「医者にかからなくてもドラッグストアで気軽に薬を買える」ことを喜ぶ花粉症患者はきっと多くなると思います。

とはいえ、本来、第2世代抗ヒスタミン剤の明暗を分けるのは、シビアな効能・副作用の差。他の薬剤の例を見ても、全ての人がOTCや後発薬に流れるわけではありません。市場構造が変革し、製品を取り巻く競合状況が移り変わる中、MRのディテーリングのあり方も、製品ライフサイクルに応じた柔軟な変化が求められることになるでしょう。

…余談ですが、3月18日のニュースで、「杉の木のおしべにカビを吹きかけることで花粉の飛散を防止する新技術」が完成したそうです。花粉症は国民病だけあって、あらためて見ると実に様々なアプローチがとられますね。

(文・栗山 鈴奈)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
このページのトップへ戻る