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製薬メーカー各社の年頭挨拶に見る業界の変革と、MR(医薬情報担当者)の転職の今後

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[ 2014年01月09日(木) ]

新年、明けましておめでとうございます。年末年始はいかがでしたか? 本年もMR BiZをよろしくお願い申し上げます。

例年通り、年始早々、製薬メーカー各社の社長挨拶・展望が発表されていました。日刊薬業に掲載されていた内容、もうご覧になりましたか?

まず、トップバッターとして掲載されていた武田薬品工業。年末に初の外国人社長起用を発表しただけあって、「変化」ということが強調された内容でした。今年は各社とも、この「変化」という言葉がひとつのキーワードだったように思えます。

多くの企業が言及していたのは、やはり日本の政治の行方と、そこに左右される製薬業界の行方について。景気回復と消費税増税、診療報酬改定、TPP…などなど。中外製薬の戸早常務執行役員が「特異点」と評するように、今年が製薬業界にとってターニングポイントになる、というのは、各社トップに共通の認識でした。

中でも最も大きな変化をもたらしそうなのは、年末に発表された2014年版の薬価制度改革。長期収載品の引き下げルールが変更となり、新薬メーカーが長期品で利益を得にくい状況に。加えて後発薬メーカーも、6掛けルールにより薬価を抑制され、薄利の重圧を伴う時代となりそうです。

また、新しく策定されたロードマップの『2018年3月末までに後発薬の数量シェアを60%とする』を実現するためには、後発薬の供給量を約2倍にする必要があるため、増産体制の整備も必要に。沢井製薬や東和製薬をはじめとするジェネリックメーカーの代表挨拶には、工場の新設や拡大といった設備投資の話題も目に尽きました。

こうした一方、良いニュースも。アベノミクスの成長戦略の一環として医療分野が位置づけられたことに伴い、日本版NIHの実現が叫ばれていましたが、1月8日には、前年比20%アップとなる1215億円の予算取りが発表されました。

他にも、新薬創出に向けて100億円を投資すると宣言するアストラゼネカ、オンコロジーに新規参入するベーリンガー、大学やバイオベンチャーとの連携を強化し日本初のシーズ発見を目指すファイザー…。こうした変化の1年を「チャンス」と捉える企業もあれば、「正念場」ととらえる企業もあり。大きな時代の変化にどう向き合うのか…今後の転職活動を考える上でも、年頭挨拶から各社のスタンスを紐解いておきたいところです。

(文・須藤 利香子)

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