政府の医療費抑制の動きを受け、ジェネリック業界に外資系企業が続々参入してきたことは、記憶に新しいことですね。
世界最大のジェネリック企業・テバファーマスーティカル・インダストリーズによる興和テバ(現テバ製薬)の設立や、スイスのサンド、ジェネリック参入を果たしたファイザー、さらにはマイラン、アクタヴィスなど…後発薬市場は『戦国時代」とまで比喩されるほどでした。
しかし、こうした外資系企業の積極参入は、何もジェネリックだけの話に留まりません。2013年10月25日のYakugyo Jihoによれば、
『グローバル展開する外資の中堅製薬企業や創薬ベンチャーが、相次いで日本市場への本格参入宣言している』
とのこと。アメリカのギリアド・サイエンシズ(売上高9500億円)、アステラス・アムジェン・バイオファーマ、アイルランドのシャイアー、デンマークのレオファーマなど…これまでは大手企業の参入が多かった日本市場に、中堅やベンチャーの参入が目立ちます。
この理由について、同じくYakugyo Jihoでは、
『単に世界第2位の市場というだけでなく規制・制度面も含めて独自展開できる環境が整ったとの判断もある』
と分析。
今後も日本に新規参入する企業が増えるとすれば、そこで必要になるのは商品の普及を担うMR(医薬情報担当者)の存在です。例えば、ギリアド・サイエンシズではC型肝炎やオンコロジーなどアンメット・メディカル・ニーズの分野で新薬の上市を予定。これまで国内に少なかった領域の求人も、新たに増加する可能性があります。
外資系企業の参入により、国内の新薬市場はますます混迷を極めそうですが、その一方、MRの募集が活発化する可能性があるのも事実です。新規参入の企業の場合、日本に根を下ろし続けている企業よりも将来性が看取りにくいため、転職を検討する際は、より市場の動向や企業の動きをチェックすることが鍵となるでしょう。
MR BiZでは、国内の新薬メーカーはもちろん、今後新規参入する外資系企業に関する情報も随時収集しています。ネットにない最新の情報や、企業に関するより詳細なデータをご希望の方は、MR BiZ転職ネゴシエーションをご活用下さい。
(文・栗山 鈴奈)