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アステラス製薬の社長交代に見る、合併後の企業の姿勢。

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[ 2011年05月12日(木) ]
年収ランキングでも2位に輝いているアステラス

売上ランキングでも2位に輝いているアステラス

以前、栗山が記したように、製薬企業同士の合併は、双方の社風や体質の存続を巡り、とてもナーヴァスになる部分があります。

そんな中、「合併の優等生」と評されているアステラス。同社の人事に大きな動きがあったのは、ゴールデンウィーク前のことでした。

『アステラス製薬、社長交代』という見出しのニュースをご覧になった方も多いと思います。現在は内定段階で、正式な就任は6月20日となるようですが、2005年に山之内製薬と藤沢薬品工業が合併して以来、2度目、実に5年ぶりの社長交代だけに、早くも今後の動向に注目が集まっています。

しかし、今回の交替では、藤沢薬品工業出身の畑中好彦新社長に加え、同じく藤沢出身の現社長である野木森氏が、代表権を持つ新会長となることが同時に発表されています。

アステラス製薬は、形式上こそ山之内製薬による吸収ですが、マインドと建前の部分では、藤沢薬品工業との対等合併にこだわってきました(藤沢の「フ」と山之内の「山」の合字からなる星形の会社ロゴマークにも表れています)。

会長と社長の双方を藤沢薬品工業の出身者が占める新体制は、これまで均衡を保ってきた旧藤沢・旧山之内のバランスを壊すことになるのではないか…とも懸念されるところです。

しかし、関係者の話によると、社内のムードは決して悪いものではない、ということでした。というのも、畑中新社長は社員からの人望が厚く、また、出身こそ藤沢薬品工業なものの、役員に昇格したのはアステラス発足後。アステラスファーマUS社長兼CEOを経験した「メイド・イン・アステラス」の上席執行役員が、新しい時代を切り開いていくことが強調されているからだといいます。

また、代表権を持つ副会長に山之内出身の石井康雄氏、副社長に御代川善朗氏が就任することも発表されており、実はバランスにもかなり配慮されていることが伺えます。

ロイター通信の取材よると、今回の社長交代を野木森現社長は「2010年度を底に右肩上がりの姿が見通せるようになった。成長戦略をさらに強く推し進め、着実に成果を上げることが要請される。若い世代にお願いしようと決心した」と語っているそうです。

畑中氏は、昨年買収したOSIファーマシューティカルズの国際的ながん開発販売体制とリソースの活用や、今後の海外展開を睨んでの抜擢と見られます。

また、畑中氏は元MRとしても知られています。元MRのCEOがアステラスに誕生したというのも、とても注目すべき点ではないでしょうか。MRの能力に定評のある武田薬品工業に、現場力でどう肉薄できるのかが、とても気になるところです。

アステラス製薬は、先の震災で高萩合成研究センターをはじめとする拠点が被災し、45億円の特別損失を計上したばかり。さらに2010年問題による主力品の特許切れ、本日5月12日には2011年度3月期の売上が45%減ったというニュースも報じられました。新体制移行後は、いっそうの団結が必要になるでしょう。

そのような中、旧山之内でも旧藤沢でもない、「メイド・イン・アステラスのDNA」を強調し、勢いを増そうとしているアステラスの姿は、製薬メーカー合併後のあり方について、いろいろ考えさせられます。

(文・須藤 利香子)

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