世代が違えば、背景となる文化も違います。
社内で、若いMRであれば、皆さんが営業所長や支店長にジェネレーションギャップを感じている人も多いでしょう。
これは、先生も同じです。
先生も当然若いMRに対してジェネレーションギャップを感じているのです。
20代で臨床研修医としてスタートをきっている先生と、40代で病院の部長クラスの先生と、60代で開業医として地域医療に貢献している先生とでは、価値観やMRに求めることが違います。
自社品を紹介する際に、先生の年代別の対応を考えていますか?
ここでは、ソーシャル・スタイルによるタイプ別分類では考慮されていなかった「年代別の先生の攻略」について考えます。
20代の先生の攻略
20代で臨床研修医としてスタートをきっている先生は、貪欲に薬物の知識を求めます。
効果や他剤比較以上に、基本的な作用機序や副作用の発生頻度について説明を求めます。
前フリや世間話も大事ですが、先生の参考になるよう、たくさんの情報を提供すべきです。
40代の先生の攻略
40代で病院勤務の先生は臨床で要の存在であり、また管理職としての業務(特に会議が多い)もあり、とにかく多忙です。先生が求めていることを端的に聞き出し、迅速な対応とポイントを押えた会話が必要です。まわりくどい表現や目的のない面談は嫌われます。
60代の先生の攻略
60代の開業医の先生が嫌うことは「結論を急ぐこと」と「エビデンス至上主義」です。
先生の豊富な臨床経験を無視し、「このエビデンスが絶対です」というようなPRでは反感を買います。
先生の治療方針を尊重し、日常の診療に自社品がいかに貢献できるか、というスタンスで面談することをおすすめします。
訪問前の準備は欠かせません。
まず、各年代の先生の価値観や求めていることを意識することです。
先生との会話を想定してQ&Aを作ってみるのもよいでしょう。しかし、シナリオを書くことは大きなリスクを負うことになります。というのも、シナリオから少しでも外れてしまうと焦っててしまい、面談に失敗してしまう確率が高いからです。
引き出しを多く作ることとシナリオを書くことは根本的に違います。シナリオを書くことは「決めつける」ことです。日々の情報収集のなかで引き出しを増やし、万全の準備で訪問に臨めば、どんな展開にも、どんな年代の先生にも対応することができます。