数字を自ら拾うことに意義がある
およそMR活動とマーケティング理論が結びつかないような時代から、MR(当時はプロパー)はABC分析を自ら活用していました。
ABC分析はそれほどクラシックな市場分析方法です。
ABC分析は、パレート分析とも呼ばれ、頻度の高いものから、A、B、Cのようにグループ分けをすることで、努力を集中または分散させる手法です。
売上順に顧客を並べて、A顧客(上顧客)、B顧客(中顧客)、C顧客(下顧客)のように分けたりして、営業資源を効率的に配分することを目的とします。
SFAが導入されMRがモバイルを持ち歩く現在では、本社から処理しきれないほどの市場分析データが皆さんの手元に届いていることでしょう。
もはや自分で販売実績をピックアップして分析する必要はなくなりました。
しかし、ときにはアナログ回帰の発想でこの「ABC分析」をやってみることをお勧めします。
必ず新しい発見があるはずです。
決して詳細な市場分析ではありませんが、自分で「数字を拾うこと」に意義があります。
本社が作成した精度の高いデータは、なかなか頭に入りません。
しかし、自分で集計したシートは手間がかかるものの、作業しながら今後の戦略を考えることができます。
この面倒な作業は決して無駄ではないのです。
GP担当の人は担当エリアに自社品の納入先が何件ありますか?
かなりの数になると思います。
この納入先を販売実績順に並べることから始まります。
エクセルで作成する場合は、販売実績の列を「降順」にすれば一瞬でできます。
次に販売実績の合計額を算出します。降順にした納入先の販売実績を累積していき、この合計額の70%までを「A」、90%までを「B」、以下をすべて「C」とします。
作成したシートのABC区分と自分の稼動状況を照らし合わせてください。
HP担当の方も、納入先や規模は把握していると思いますが、改めて、ABCに区分分けしてデータ化してみてください。
販売実績を反映していない稼動や、稼働時間を集中すべき得意先など、新しい発見が必ずあるはずです。