あなたは、専門医と非専門医で、ディテールの内容を使い分けていますか?
駆け出しの新人MRは、相手が誰であろうがワンパターンの説明しかできません。しかし、皆さんには1つの学術資材をいくつものパターンで説明できる習慣をつけてほしいものです。
効果的な面談を実現するには、まず「先生の立場に立って考えること」から始めます。視点を変えたり、ちょっとした工夫をすることで、先生がいま置かれている状況や、先生の立場がわかってくるようになります。
先生の立場がわかってくると、それをふまえた「提案」ができます。そして「提案」によって先生の「関心」を引き出し「ニーズ」へと高めることで、「成果」になって表れます。
効果的な面談の流れ
先生の立場に立って考える
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先生の立場を踏まえた「提案」をする
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先生の「関心」を引き出す
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先生の「関心」を「ニーズ」へと高める
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「成果」
この一連の流れがうまくいったとき、MR活動の楽しさを最も感じることができるでしょう。
専門医と非専門医という視点を導入することで、先生が「まずどこに着目するか」を考えるきっかけになります。
たとえばPPIの販売促進を考えるとき、消化器科の先生は「専門医」で呼吸器科や循環器科の先生は「非専門医」となります。
しかし、製品情報概要は当然1種類であり、学術資材にも「専門医用」や「非専門医用」という区別はありません。
さらに消化器科の先生のなかでも、上部消化管が専門の先生と下部消化管が専門の先生が、さらに肝・胆・膵が専門の先生がいます。上部消化管が専門の先生にも、内視鏡が専門の先生や消化管ホルモンを研究テーマにしている先生もいます。
それぞれの立場の先生に対して、ディテールの内容が違って当たり前です。タイプ別のディテールよりも「先生の専門性」を意識することが、より重要です。
専門の先生には学会・研究会情報の提供や海外のエビデンスを可能な限り早くお届けし、一方で他の領域の先生には安全性情報を優先した総説的なことも必要です。
学術資材を使う際、「専門医」と「非専門医」それぞれの立場の先生が「まずどこに着目するか」を考えて準備しましょう。
日々の業務に追われると、資材・資料の事前予習が不十分になりがちです。このような状態で先生に面談しても、ディテール数にはカウントされますが、先生の心に響いて処方につながることはありません。
先生の心に響かなければ理解は得られず、MRの成果にも結びつきません。
相手の立場だけでなく、気持ちを汲み取ったり、場の空気を感じ取ることができなければコミュニケーションは成立しないのです。