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【メソッド10】卸との付き合い方:卸の仕組み

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所属している支店に、売上代金の回収について卸から問い合わせがあり、電話を受けたものの何を言っているのかさっぱり分からない。

そんな状況に心当たりはありませんか?

MSさんの業務は、主に配達業務と売上代金回収業務ですが、医療用医薬品卸売業の機能はもっと多岐にわたり、利益体系も複雑です。

ここでは、卸の機能と利益体系について掘り下げてみましょう。

卸の機能

配送
医薬品に配達遅延は許されません。
受注から即日、遅くとも翌日に納品することが原則です。メーカーへの発注から物流センターを経由して、受注→起伝→車載→納品の基本業務を滞ることなく、こなさなくてはなりません。

保管と品質管理
卸の物流センターでは約1~2万種、各支店・営業所(デポ)では数千種の医薬品の在庫を管理します。温度管理が必要な医薬品や、めったに発注されない医薬品もあります。

特に大変なのは、ロット管理です。使用期限が逆戻りするような納品はできません。先入先出を厳守し、かつ最新のロットを納品できるように、在庫は最小限にしなくてはなりません。

販売促進
卸もメーカーと同様に同業他社との競合があります。価格交渉も含めた販売活動が存在します。また、医療用医薬品卸売業の特性として、適正使用推進業務という責務もあります。適正使用推進業務はMRだけのものではなく、卸にも存在します。

■回収業務
売上代金の回収業務です。小切手約束手形支払サイト(手形の振出し日から支払期日までの日数のこと)、契約書の締結与信管理などに関する知識を、MSさんは当たり前に持っています。
残念ながら、MRは営業職でありながらこの分野の知識に詳しくない方が大半です。しかし、自分には必要ないと考えないで、たまにはMSさんと世間話をしながら教わってみてはどうでしょうか。

その他
卸のなかにも管理薬剤師が常駐し、ドラッグインフォメーション管理だけでなく安全性情報を得意先に発信しています。メーカーからの医薬品情報は当然自社品に限定あるいは関連する情報となりますが、卸の立場では限定することなく安全性情報を集約して提供することができます。

また、卸の本来業務ではありませんが、医療経営のコンサルティング医師会との情報共有地域医療連携のサポートまで業務を広めています。

卸の利益体系

卸の利益体系は複雑です。皆さんの所属する支店には、流通担当や特約店担当の方がいると思います。
通常、卸施策や卸からの売上代金回収は専任の方が担当していると思いますが、文言だけでなく、どのように卸は利益をあげることができるか、利益体系はしっかり理解しておきましょう。

■売差
メーカーが卸に販売する価格を仕切価といいます。仮に100円の薬価の医薬品の仕切価を80円とし、これを医療機関に90円で販売したとするならば10円が卸の利益となり、これを売差、あるいは一次売差一次マージンといいます。

■リベート(割戻し)
さらに、メーカーから卸(特約店)に対して売上高、送品額、債権回収サイト、在庫管理が難しい特定品目に対して売上の割戻しをします。これは卸機能を評価して支払われるもので、「二次のマージン」ともいわれます。

■アロワンス
これは、卸(特約店)の販売促進活動に対する報奨が目的であり、いつも定率で支払われるものではありません。このアロワンスを「三次のマージン」といいます。

売差からアロワンスまで三種類のマージンがあります。正確にいうと、卸にとって仕入原価とは仕切価ではなく、仕切価から割戻しとアロワンスを引いたものになります。しかし現実には、売差がマイナスとなり、これを割戻しとアロワンスで補填してやっと±0という厳しい状況であり、卸の収益性はどんどん低下しています。

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