MRがメールを使わない日はないでしょう。
メールはビジネス文書とは異なり、書き方について「これが正解」というものはありません。
しかし、先生にメールを送るうえで、簡潔かつ明瞭であることが望まれつつ、最低限のマナーも守らなくてはならない・・・。
この書き方でいいのかな?という疑問を持ちながら、メールしているMRも多いのではないでしょうか?
ここでは、先生へのメールの書き方の一般的なルールを、例文の間違い探しをしながら説明していきます。
<例題>下のメール文のなかで、不適切な箇所を探してください。
送信者 : ○○製薬㈱山本太郎
宛先 : 鈴木
件名 : お知らせ
本文 :
鈴木先生 侍史
おはようございます。
いつもお世話になっております。
さて、先日お話した小児臨床研究会の件ですが、詳細が決まりましたのでお知らせいたします。開催日時は2 月20 日18 時となっております。会場は○○会議場A ホールでございます。
ぜひご出席頂きたいと思いますので、ご連絡をお待ちしております。
○○製薬㈱
山本太郎
間違い解説
■事前に宛先を登録しておく
先生にメールを送る場合は、アドレスを直接入力するのではなく、必ずアドレス帳に登録してからメールを作成しましょう。一度しか送ることがない先生であっても、事前に登録してメールを作成します。
それは、事前に登録すると、受信した人がメールを開いた時、例文のように「宛先」欄に自分の名前が漢字で出てくるからです。「ここまで気を使ってくれたんだな」と嬉しくなりますね。
ただし、たとえば「鈴木」とアドレス帳に登録すると「鈴木」としか出ないので注意が必要です。登録する時には、「鈴木一郎先生」のように、「先生」まで入力します。
■件名は具体的かつ簡潔に
件名には具体的な内容を書かなくてはいけません。受信トレイには通常「送信者」と「件名」しか表示されません。ただ「お知らせ」というような漠然とした表現では、メールを開くのが後回しにされてしまいます。文字数が多いと後ろが出てこないので、15字以内で具体的に表現しましょう。
■名前はフルネームで書く
いかにメールが簡略性を重んじているとはいえ、先生の名前はフルネームで記載することが常識です。メールだけでなく文書の宛先はもちろんのこと、依頼された文献を届ける封筒の表書きにも先生のフルネームを書きます。
また、メールでは「侍史」は不要です。「侍史」は本来「お付きの人」に宛てる脇付です。メールを見るのは必ず本人なので、「侍史」はつけないのがルールです。
■文章に時間の概念を持たせない
メールの受信者はいつ受信メールを開くかわかりません。夜遅くに、先生が帰宅前にメールを開いた時に「おはようございます」では笑われます。
メール文には時間の概念を持たせないのが一般的です。
■改行して見やすくする
改行もされていない、簡潔とはほど遠い文面では読まれません。できるだけ見やすく改行に工夫をします。
文頭の1字下げは、メールにおいては不要です。また、研究会の日時や会場は本文から独立させなくてはいけません。
■日時の表記は省略せず正確に
開催日時は、たとえ来週開催される研究会であっても年号と曜日を明記し、平成○○年2月20日(木)とすべきです。メールであっても省略すべきではありません。
■伝えたい内容に適した表現を使う
「ご連絡をお待ちしております」ではこの研究会の出欠を確認したいのか否か、わかりません。
通常、メールで先生の出欠を確認することは失礼です。しかし、主催者である世話人の先生から確認を指示される場合もあります。その場合には「ご連絡をお待ちしております」では言葉が足りません。
■フッターの基本情報は省略しない
不要であっても、電話番号と自分のメールアドレスは記載すべきです。
例文を修正して、模範例を作りました。
<模範例>
送信者 : ○○製薬㈱山本太郎
宛先 : 鈴木一郎先生
件名 : 第14回小児臨床研究会のご案内
本文 :
鈴木一郎先生
いつもお世話になっております。
先日ご紹介しました第14回小児臨床研究会の詳細が決まりましたのでお知らせ致します。
日時:平成○○年2月20日(木)18時開始
会場:○○会議場A ホール
○○製薬株式会社 山本太郎
Tel:03-1234-5678
t-yamamoto@abcd.co.jp
※メールアドレスのドメインにある「.ac」はアカデミーを表し、大学病院に帰属している先生であることがわかります。「.go」はガバメントを表し、政府機関や国立病院機構の施設に帰属している先生です。