マーケティングで成功した人の話には、感謝の気持ちを大切にすることがよく書かれています。
今回は、マーケティングミックスの構成要素のひとつ「コミュニケーション」について、考えてみましょう。
先生との「コミュニケーション」も大切なマーケティングの要素です。
「返報性の原理」を知っていますか?
どんなに些細なことでも、人は譲歩されると「お返しをしなくては」という気持ちになり、また譲歩する立場にある人は無意識のうちに「見返り」を求めてくるものです。これが「返報性の原理」です。
この原理を悪用して無理矢理「譲歩」のシチュエーションを作る営業手法を紹介する本もありますが、これは感心しません。
ここではあえて先生を「譲歩する立場」に設定して考えてみます。
医薬品業界は過当競争です。「先生」と「MR」という2つの立場を考えた場合、常日頃から「譲歩」することが多いのは圧倒的に「先生」です。MRの「いいとこ取り」のPRは承知の上で処方される場合も多くあります。
にもかかわらず、自分のPRが100%受け入れられたものと錯覚して真摯な姿勢を忘れることは、絶対にあってはなりません。
「ありがとうございました」の一言を、きちんと伝えるようにしましょう。
先生の「譲歩」を見逃さない
「職人MR」と呼ばれるMRは、この譲歩の瞬間を決して見逃しません。
会話の中で長年培われた鋭い感性から、先生の「譲歩」を感じ取るのです。
人の恩を感じたら感謝の気持ちを持つこと―この当たり前のことが非常に難しくなっています。MRは日常に追われ、物事を冷静にみる余裕がなくなっています。たまにはふと立ち止まって自分を見直すことも必要です。
人の恩を感じなくなるほど忙殺されていると感じたら、根本から行動計画を見直すことが必要です。