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製薬メーカー・CSO最新動向
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2017年版製薬・医薬品業界 最新業界地図2017年6月更新
国内市場 薬価引き下げの圧力高まる
「選択と集中」国境超え活発化 M&Aも引き続き盛ん
製薬企業各社の最新動向をレポート。MRの転職の参考に。
国内では薬価引き下げの圧力が強まり、市場は停滞気味。新たな収益源を確保すべく、国内メーカーの間では海外展開の動きが広がっています。海外の大手メーカーでは、引き続きM&Aが活発です。
国内新薬メーカー
-
武田薬品工業
2014年、初の外国人社長が就任。「がん」「消化器」「中枢神経系」に注力。潰瘍性大腸炎・クローン病の新薬が絶好調。米アリアド買収でがん領域を強化。
- 売上高
- 1兆7,321億円
- 営業利益
- 1,559億円
- 研究開発費
- 3,123億円
-
アステラス製薬
営業利益では国内トップ。泌尿器領域に強み。がん領域に力を入れており、主力の前立腺がん治療薬は世界売上高2500億円超。
- 売上高
- 1兆3,117億円
- 営業利益
- 2,608億円
- 研究開発費
- 2,081億円
-
大塚
ホールディングス中枢神経系に強い。抗精神病薬の特許切れで苦戦も、後継品が成長中。国内では新製品が好調。
- 売上高
- 1兆1,955億円
- 営業利益
- 1,011億円
- 研究開発費
- 1,688億円
-
第一三共
国内医療用医薬品ではトップ。抗凝固薬の新薬に期待。がん領域を将来の事業の柱として育成。
- 売上高
- 9,551億円
- 営業利益
- 889億円
- 研究開発費
- 2,143億円
-
エーザイ
認知症薬の特許切れで苦戦。「がん」「中枢神経系」にフォーカス。自社創製の抗がん剤や抗てんかん薬が成長中。
- 売上高
- 5,391億円
- 営業利益
- 591億円
- 研究開発費
- 1,125億円
-
中外製薬
スイス・ロシュ傘下。抗体技術に強み。抗がん剤で国内首位。自社開発のリウマチ薬も好調。
- 売上高
- 4,918億円
- 営業利益
- 769億円
- 研究開発費
- 850億円
-
田辺三菱製薬
三菱ケミカルホールディングス子会社。ALS薬の承認を取得し、米国に本格進出。国内では後発医薬品事業から撤退。
- 売上高
- 4,240億円
- 営業利益
- 941億円
- 研究開発費
- 647億円
-
大日本住友製薬
主力の抗精神病薬が米国でブロックバスターに。特許切れに備えて買収や製品導入を積極的に展開。「がん」「再生医療」に注力。
- 売上高
- 4,116億円
- 営業利益
- 528億円
- 研究開発費
- 808億円
-
協和発酵キリン
抗体技術を核としたバイオテクノロジーに強み。「がん」「腎」「免疫疾患」に注力。
- 売上高
- 3,430億円
- 営業利益
- 316億円
- 研究開発費
- 538億円
-
塩野義製薬
抗HIV薬が世界的にヒットし、ロイヤリティー収入が拡大。低分子創薬に定評。「感染症」「疼痛」「中枢神経系」に強み。
- 売上高
- 3,389億円
- 営業利益
- 1,082億円
- 研究開発費
- 599億円
出典:AnswersNews
海外新薬メーカー
-
ファイザー
- 売上高
- 5兆7,050億円
- 研究開発費
- 8,502億円
-
ロシュ
- 売上高
- 5兆5,634億円
- 研究開発費
- 1兆2,685億円
-
ノバルティス
- 売上高
- 5兆2,399億円
- 研究開発費
- 9,762億円
-
メルク
- 売上高
- 4兆2,992億円
- 研究開発費
- 7,770億円
-
グラクソ・
スミスクライン- 売上高
- 4兆1,555億円
- 研究開発費
- 5,406億円
-
サノフィ
- 売上高
- 4兆585億円
- 研究開発費
- 6,206億円
-
ジョンソン・
エンド・ジョンソン- 売上高
- 3兆6,141億円
- 研究開発費
- 9,823億円
-
ギリアド・
サイエンシズ- 売上高
- 3兆2,821億円
- 研究開発費
- 5,506億円
-
アッヴィ
- 売上高
- 2兆7,689億円
- 研究開発費
- 4,715億円
-
アストラゼネカ
- 売上高
- 2兆4,842億円
- 研究開発費
- 6,361億円
出典:AnswersNews
ジェネリックメーカー
-
日医工
- 売上高
- 1,634億円
- 営業利益
- 86億円
-
沢井製薬
- 売上高
- 1,324億円
- 営業利益
- 206億円
-
東和薬品
- 売上高
- 849億円
- 営業利益
- 69億円
-
富士製薬工業
- 売上高
- 342億円
- 営業利益
- 36億円
出典:AnswersNews
クインタイルズIMSの調査によると、2016年度の国内医療用医薬品市場は10兆4307億円(薬価ベース)。2年連続で10兆円の大台を超えたものの、16年4月に行われた薬価改定の影響で前年度に比べて3.8%縮小しました。
国内メーカーでは、潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬「エンティビオ」が急成長する武田薬品工業が16年度も売上高首位をキープしました。前立腺がん治療薬「イクスタンジ」が2500億円あまりを売り上げたアステラス製薬が2位に浮上し、統合失調症治療薬「エビリファイ」の特許切れが影響する大塚ホールディングスは3位に後退。4位の第一三共は国内で新製品が伸び、国内医療用医薬品売上高では武田薬品を抜いてトップに立ちました。
16年4月の薬価制度改革では、予想を超えて売り上げが巨額になった医薬品の薬価を最大50%引き下げる「特例拡大再算定」が導入されました。17年2月には薬価が高額だとして小野薬品工業の免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」が通常の薬価改定の時期でないにもかかわらず異例の薬価引き下げに。後発医薬品の使用も広がっており、日本市場では新薬メーカーに強い逆風が吹いています。
世界市場に目を向けると、2016年は米ファイザーが3年ぶりに首位の座に。スイス・ロシュが前年3位から2位に浮上し、それまで首位だったスイス・ノバルティスは3位に後退しました。英グラクソ・スミスクラインが前年7位から5位にジャンプアップした一方、C型肝炎治療薬の売り上げがピークを過ぎた米ギリアド・サイエンシズは6位から8位に順位を下げました。
新薬開発は年々難しくなっています。非中核事業を整理して得意領域に経営資源を集中させる「選択と集中」の動きは国内外を問わず活発化。米ファイザーが1兆4000億円を投じて前立腺がん治療薬「イクスタンジ」を開発した米メディベーションを買収するなど、M&Aも盛んです。生き残りをかけた競争は、今後一層激しさを増していくことになります。
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