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骨髄異形成症候群の原因遺伝子が判明。新たな治療法の開発に期待

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[ 2011年09月22日(木) ]

9月11日。同時多発テロから10年、震災からちょうど半年となるこの日に、一つ明るいニュースがありました。

白血病や悪性リンパ腫とならぶ血液癌の一種である「骨髄異形成症候群」。

同患者のゲノムをスーパーコンピューターで解析することで、その原因遺伝子の特定に成功したというのです。

発見したのは東京大学医学部付属病院の小川誠司特任准教授ら国際共同研究チーム。これまで、骨髄異形成症候群は骨髄移植以外に、明確な治療法がなかっただけに、今回の発見から治療薬の開発への期待が高まります。

以前も書いたことがありますが、わたしが小さかった頃に叔父が悪性リンパ腫で亡くなり、その10年後には、父が同じ血液癌になりました。

10年という歳月は、叔父の命を奪った病気の恐ろしさを忘れてしまうのにじゅうぶんな期間でした。

しかし、それと反比例するように、医療はこの10年の間にとても大きな進歩を遂げました。新薬が開発されていて、叔父の時には打つ手がなかった病気から、父の命を救ってくれたのです。

福永武彦という戦後作家の作品「草の花」の中にも、「今ならサルファ剤があって生命に関わることもないのだろうが、当時、敗血症は必死の病だった」 という表現が出てきます。今回原因遺伝子が発見された骨髄異形成症候群も、10年後には簡単に治る病気になっていることを願ってやみません。

アンメット・メディカル・ニーズを満たす新薬の登場は、2010年問題にあえぐ製薬会社にとって希望となる話。ですが、それ以上に、難治性の病を抱える患者の命を文字通り救う意味を持っていることに、改めて気づかされます。

オンコロジーや難治性疾患などの分野の研究に注力する企業と研究職の方々に エールを送りつつ、MRとしてもパイプラインの充実を期待したいですね。

(文・栗山 鈴奈)

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