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武田薬品工業のジェネリック参入に思う、後発薬市場の今後

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[ 2013年10月03日(木) ]

少し前の記事ですが、武田薬品工業があすか製薬を通じて国内ジェネリック市場に本格参入することが伝えられていましたね。

武田薬品工業が、資本関係を持つあすか製薬を通じ、国内で後発医薬品事業への参入を検討していることが分かった。同社関係者が明らかにした。(日刊薬業2013.9.5より)

もともと武田薬品工業はあすか製薬の7%の株式を保有。加えてあすか製薬の商品を扱うなど、関係が深かったことで知られます。今回の武田薬品工業の後発薬品事業強化に伴い、あすか製薬では、あすかジェネリック事業本部を新設。事業本部長と事業企画推進部長は武田からの出向と、両社の連携が本格化しています。

武田薬品工業といえば、ナイコメッド社を子会社化し、海外でジェネリック医薬品を積極展開してきたことが記憶に新しいですが、国内での後発品事業には否定的でした。それが今になって、というのはいかなる理由があるのでしょうか。

武田薬品工業では、2011年に特許切れを迎えた2型糖尿病治療薬「アクトス」を巡り、後発薬参入した18社を相手に訴訟を起こし、今年3月に東京地裁で敗訴が確定したばかり。加えて、来年には世界約100ヵ国で販売され、売上高1696億円を誇る高血圧症治療剤『ブロプレス』の特許切れが迫っているタイミング。

2008年にミレニアム・ファーマシューティカルズを買収して以来、オンコロジー領域の新薬開発に注力する取り組みを同社の「攻め」とするならば、今回の後発薬参入は「守り」。二本柱の戦略が伺えます。

新薬メーカー各社とも、なかなか思うように新薬開発が進まない現状、政府が後発品使用を促進するのであれば、そちらで売上を補おうというのはとても自然です。今後、武田に続く企業がどの程度出てくるのかはわかりませんが、今回、体力・組織力のある国内最大手メーカーが本格参入したことで、ジェネリック医薬品市場の業界地図に変化があることは必然。

MR(医薬情報担当者)の就労環境も含め、どのような移り変わりを見せるのか…見守りたいところです。

(文・須藤 利香子)

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