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大型買収相次ぐ、国内初のCAR-Tや遺伝子治療薬が承認…2019年の製薬業界を振り返る

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[ 2019年12月19日(木) ]

大型買収相次ぐ、国内初のCAR-Tや遺伝子治療薬が承認…2019年の製薬業界を振り返る平成が終わり、令和の時代が幕開けした2019年。みなさんにとってはどんな年だったでしょうか。製薬業界では今年、特に大型のM&Aが目立った一方、国内ではCAR-T細胞療法や遺伝子治療薬など新たなモダリティが相次いで承認され、新時代の到来を感じる1年となりました。

M&Aの動向を振り返ってみると、1月には米ブリストル・マイヤーズスクイブが製薬業界として過去最大規模となる740億ドルで米セルジーンを買収すると発表し、6月には米アッヴィが630億ドルでアイルランド・アラガンの買収で合意。武田薬品工業によるアイルランド・シャイアーの買収は1月に完了し、日本から初めて世界トップ10入りするメガファーマが誕生しました。

業界の勢力図を塗り替える大型買収が相次いだ2019年ですが、傾向としては「がん領域の強化」と「新たなモダリティの獲得」を狙った案件が多かったように思います。米イーライリリーや米ファイザーはともに、抗がん剤を開発する米国企業を1兆円ほどで買収。一方、スイス・ロシュやアステラス製薬は遺伝子治療を手掛ける企業の買収で合意し、スイス・ノバルティスは核酸医薬に強みを持つ企業を買収すると発表しました。

国内に目を向けると、上場製薬企業だけでも5社が早期・希望退職を行い、これによってあわせて約1750人が会社を去りました。後発医薬品業界では再編の機運が高まり、インド・ルピンや南アフリカ・アスペンが日本事業を売却して撤退すると発表。富士フイルムファーマは3月で解散し、4月にはエーザイの後発品子会社だったエルメッドエーザイが日医工の完全子会社となりました。

今年もさまざまな新薬が登場し、国内初のCAR-T細胞療法「キムリア」や国内初の遺伝子治療薬「コラテジェン」、国内初のsiRNA「オンパットロ」が承認。キムリアには3349万円という過去最高の薬価がつき、話題となりました。

MR(医薬情報担当者)にとっては、4月の「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」の運用開始も大きなできごととなったのではないでしょうか。MR認定センターのMR白書によると、今年3月末時点の国内のMR数は前年から2500人余り減って6万人を割りました。削減傾向が強まっている上、活動に対する縛りもきつくなり、将来を不安に思うMRも増えたようです。

本コラムも今回が今年最後。1年間お付き合いいただきありがとうございました。皆さん、よいお年を。


(文・前田雄樹)

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