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iPhoneから新薬が生まれる時代?

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[ 2016年07月21日(木) ]

iPhoneから新薬が生まれる時代?製薬メーカーとスマートデバイス、とりわけiPhone・iPadの間には、切っても切れない関係性があります。今から6年前の2010年頃から、製薬メーカー各社でiPhoneやiPadを導入されて以来、MRの現場でも活用され続けてきました。今日ご紹介するニュースは、そんな製薬メーカーのiPhone・iPad活用の新たな1ページとも呼べるもの。

それは、iPhoneから新薬が生まれるかもしれない…という報道です。グラクソ・スミスクラインがResearchKitを活用したリウマチ関節炎の治療薬開発に着手したことを、ライブドアニュースなどにニュースを提供するiPhoneMania(株式会社レッドコンサルティング運営)が報じています。

ResearchKitとは、アップルが提供している医療研究アプリ向けのフレームワーク。製薬メーカーや医療関係者は、このフレームワークを元にしてアプリを作成することで、iPhoneのカメラやマイク、各種センサー、健康測定アプリ・HealthCareなどを通じて持ち主の健康情報を得ることができます。

もちろんデータは同意したユーザーのもののみ得られることになりますが、iPhoneが年間2億台出荷されていることを考えると、ほんの1~2%のユーザーであったとしても数百万人のデータを得ることができる計算になります。

ResearchKitを用いたアプリ開発の試みは既に大学を中心に始まっており、慶應義塾大学ではスマホを使って心房細動の早期診断や早期予防をできないか研究がスタート。東京大学でも、糖尿病患者や予備軍向けアプリの開発、順天堂大学からもパーキンソン病などの研究に同フレームワークが活用されている模様です。

研究者側にとって同フレームワークの歓迎すべき部分は、データ提供だけではありません。研究者側と患者とを繋ぐハブとなることで、新薬開発の様々なシーンでリードタイムが短縮する可能性が示されています。

「ResearchKitを活用すれば、自発的に研究に参加する被験者を集めることができるほか、被験者がどこにいても質問に回答できるため、仕事や旅行で調査が中断する、といったトラブルを避けることもできます。」iPhoneMania 2016年7月17日の記事より)

記事の通りなら、シーズの発見はもとより、治験の迅速化も見込めそうです。年々新薬開発の難易度が上昇していることを鑑みると、このような既存の枠組みに囚われない、新しい新薬開発の試みには自ずと期待が集まります。製薬企業として初めて新薬開発にResearchKitを導入したグラクソ・スミスクライン。果たしてどのような成果をもたらすか…その成果を見守っていきましょう。

(文・須藤 利香子)

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