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薬価制度の大改革 先行き暗く…2017年の製薬業界を振り返る  

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[ 2017年12月14日(木) ]

薬価制度の大改革 先行き暗く…2017年の製薬業界を振り返る早いもので今年も残すところ2週間余り。みなさんにとって2017年はどんな年でしたか?

製薬業界を振り返ってみると、ハーボニーの偽造薬が流通(2月)やCAR-T細胞療法の世界初承認(8月)などさまざまなできごとがありましたが、やはり薬価が話題の中心となった1年でした。

「高すぎる」と批判を浴びてきた免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」は、2月に薬価が半額に。16年末に政府がまとめた「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」を受け、厚生労働省では年明けから薬価制度改革の議論が始まりました。

先日、厚労省が公表した改革案によると、特許期間中の新薬の薬価を実質的に維持する「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」は、その対象となる医薬品の範囲が大幅に縮小されます。オプジーボのように適応拡大で売り上げが大きく伸びた医薬品(売上高350億円以上)は、年4回、薬価引き下げの機会を設定。長期収載品は10年かけて後発医薬品と同じ水準まで薬価を引き下げることになります。

特に、新薬創出加算の見直しは新薬メーカーにとって影響が大きく、製薬業界は猛反発しています。経営戦略の見直しを迫られるのは必至です。今年は、アステラス製薬や中外製薬が長期収載品を売却。昨年あたりから活発化している、新薬に特化するために長期収載品を手放す流れは今年も続きました。

「薬価制度の抜本改革ではなく、薬価の抜本的引き下げだ」と製薬業界が指摘するように、今回の薬価制度改革ではイノベーションの評価といえる部分はごくごくわずか。引き下げ方向の見直しが強く、製薬業界の先行きには一層不透明感が漂うことになりそうです。

少し早いですが、コラム「未来図:MR」は今回が年内最後となります。1年間お付き合いいただきありがとうございました。

来年は、薬価制度改革によって業界も大きく変化する1年になりそうです。厳しい年となるかもしれませんが、みなさん、よいお年を。

 

(文・前田 雄樹)

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