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大塚ホールディングス、ついに上場へ。国内勢力図はどう変わる?

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[ 2010年12月09日(木) ]

この上場で製薬メーカーの順位は…

以前からささやかれていましたが、今月15日、いよいよ大塚製薬を内包する大塚ホールディングスが、東京証券取引所の一部に上場しますね。全体では2007年のソニーフィナンシャルホールディングス、今年4月の第一生命保険に続く大型上場で、時価総額は1兆円規模と言われています。

製薬会社としては武田薬品工業、アステラス製薬、第一三共に次ぐ水準ではありますが、ここ10年以内では、時価総額1000億円を超える製薬会社の上場がなかったことから、かなりの注目が集まっています。

リーマンショック以降、依然として完全回復とは言い切れない混迷気味の株式市場に、どうしていま上場を決めたのでしょうか。それは、「調達した資金は新薬の研究開発や海外での事業拡大に充てる」(引用:2010年1月29日Nikkei net)と明言している通り、製薬事業の研究資金調達の目的が大きそうです。

ご存じのように、2010年問題に直面した大手製薬メーカー各社は、新薬の研究開発への巨額の投資を余儀なくされています。ポカリスエットやカロリーメイトといった飲食料品が高い知名度を誇る大塚製薬も例外ではなく、1兆円規模の年商のうち、7割は製薬部門が占めていると言われています。

中でも、2002年から統合失調症の治療薬として世界45カ国で販売されている非定型抗精神病薬エビリファイは、2008年に(株)ユート・ブレーンが発表した『世界大型医薬品売上高ランキング』でも30位に位置し、年間3700億円の売上を誇ります。実に収益の1/3を支えるこのエビリファイが、2015年、ついに特許切れを起こします。

大塚製薬は、去る10月、佐賀県に新しい原薬工場を設立したばかり。この工場では、ポカリスエットやカロリーメイトの生産だけでなく、臨床試験向けに、開発段階の新薬の有効成分を必要分だけ生産することを目的としている模様です。

エビリファイ特許切れの2015年に向けて、大塚製薬の猛攻が始まろうとしています。新たなブロックバスターをつかむことができるか、今後の動向を見守りたいところです。

(文・須藤 利香子)

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