1. MR 転職【MR BiZ】HOME>
  2. お役立ちコンテンツ>
  3. コラム『未来図:MR』>
  4. 再生医療だけではない。iPS細胞が製薬業界にもたらすもの

再生医療だけではない。iPS細胞が製薬業界にもたらすもの

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2012年11月01日(木) ]
iPS細胞が変える製薬創薬の現場

本命化合物の発見がもっと早くなるかも…。

前回に引き続き、iPS細胞に関する話題です。

iPS細胞は、分化万能性と自己複製能から、再生医療の側面ばかりが注目されているようですが、その一方で、今後の新薬創出にも大きな役割を果たすと言われています。

それは、iPS細胞で病気を細胞レベルで再現し、効果が期待できる化合物を次々に反応させていく、という用途。効率的にシーズを絞り込んでいくことができるため、ご存じの通り、10~20年近くかかるといわれる創薬のプロセスをぐんと短縮できるほか、アンメット・メディカルニーズを満たす画期的な薬の開発を大いにたぐり寄せられる。そう期待が寄せられています。

一部のメディアでは、大日本住友製薬の動向が注目されています(山中氏が無名だった頃から共同開発をしてきたことや、京大iPS細胞研究所の知財契約管理室長が同社の出身であることが理由)が、他にも武田薬品工業やエーザイなどで、既にiPS細胞を用いた同様の研究が進められています。

iPS細胞の「i」に、「iPodのように親しみやすく、普及しやすいように」との願いが込められているという話は有名ですが、「世界中の難病患者を救いたい」という山中氏は、製薬各社との共同研究にも前向き。

10月26日には政府が「iPS細胞を活用した臨床研究を推進するための施設設備費など総額3926億円の緊急経済対策を閣議決定した(日刊薬業第13582号より引用)と報じられましたが、こうした政府のバックアップも、京都大iPS細胞研究所と再生医療の現場のみならず、新薬創出に苦戦する国内の製薬業界にとっても明るいニュースとなりそうです。

(文・栗山 鈴奈)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
このページのトップへ戻る