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がん治療・オンコロジー領域の将来性について考える

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[ 2011年03月31日(木) ]

東京大・東北大・大阪大がLPA生成メカニズムを解明(写真は東京大学)

この度の東日本大震災でお亡くなりになった多くの方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。並びに、震災地の一日も早い復旧を、お祈り申し上げます。

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震災後、なかなか記事をアップできず、すみませんでした。今回からはまた定期連載を再開致しますので、今後とも宜しくお願い申し上げます。

今回はオンコロジー領域についての話題をお話ししたいと思います。最近、癌の治療法について興味を持ったという知人を何人か見ました。

年末から最近にかけて、オンコロジー領域に関するトピックスを多く目にしたことがキッカケだったようです。

東京大学と東北大学、大阪大学の研究チームによる研究成果が発表されたのは2月のこと。
米科学誌ネイチャー・ストラクチュアル・アンド・モレキュラー・バイオロジー電子版に掲載されたその内容は、がん細胞の中で発現量が多くなる酵素「ATX」が細胞増殖や血管形成に必要となる「LPA」を生成する際のメカニズムを解明した、というものでした。

その1ヶ月ほど前には、英イーストアンダリア大学の研究チームががん細胞の増殖を促す「悪玉遺伝子」を発見。

さらに最近では、韓国の忠南大と釜山大の研究チームが、結核菌の特定タンパク質と細胞を利用したがん治療ワクチンの開発に成功。
結核菌の変種であるBCG菌は、もともとがん治療に一定の効果を発揮するとされていたものの、副作用問題でなかなか実用化に至らなかった背景がありました。今回の研究では、結核菌の中で最も強力な病原性因子のHBnAで癌細胞を壊死させることに成功したそうです。

もちろん、研究成果がプロダクトとして実を結ぶのは、まだ少し先になるでしょう。

しかし、副作用や効果への不安から、がん患者の2人に1人が健康食品などの民間療法に流れている(厚労省研究班の調査による)今、こうした「副作用が少なく効果の大きい」がん治療が誕生すれば、より多くの患者からの利用が見込まれることにもなると思います。

どの企業が、アンメット・メディカル・ニーズを完全に解決できる薬を発売できるかは、まだ残念ながら予測しきることができません。
ですが、今のうちからオンコロジー領域で経験を積んでおけば、このオンコロジー領域におけるブロックパスターが登場した際、有利に転職を行うことができます。

去る3月1日、第一三共は黒色腫治療薬「PLX4032」をロシュと共同開発中の米PLexxikon社を買収しました。国内でも続々とオンコロジーに力を注ぐ企業が台頭している今が、この領域にチャレンジする最大のチャンスです。

(文・須藤 利香子)

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